【ミニ情報】カタカナ不動産「ゼファー」の破綻から〝見えてきたもの〟
「金、モノの動きがピタリと止まっている」
こう語るのは、ある投資ファンドの代表。「マネーを司る金融の動きが最近、おかしくなっている。今年に入って急に色々な口実をつけて、融資の〝蛇口〟を絞り始めた。うちも融資引き上げなどが相次ぎ、正直身動きがとれない状態だ」
そうした中でも、とくに金融機関が融資を渋っているのが不動産セクターである。これについては、本誌でも再三再四報じてきた。そして、ついに18日、〝カタカナ不動産〟の一つ「ゼファー」(東証1部、飯岡隆夫社長)が民事再生法を申請し、破綻した。負債総額は949億円で、上場企業の民事再生手続き開始の規模としては、03年10月の森本組(負債総額2153億円)以来になるという。ゼファーは8月19日付で上場廃止になる。
ベテラン証券業界紙記者は次のようにいう。「ゼファーは7月末に60億円を超える決済を控えていたが、そのうち27億円を調達するメドがどうしても立たなくなり、民事再生法を申請せざるを得なくなった、と会見で説明している。実は、同社の筆頭株主はSBIホールディングスで、すでに120億円を貸し込んでいた。つまり、これ以上の融資はできないというSBI側の都合で、ゼファーは破綻したに過ぎない。当然、今後の民事再生はSBI主導で進められると思われるが、そこで気になるのは、スルガコーポレーションと違って目立った優良資産を持たないゼファーが債務超過に陥っているのではないか、という点だ」
SBIホールディングスは単体簿価ベースで31億円、連結簿価ベースで95億円のゼファー株を保有。相当額の引き当て処理をする可能性があるという。もっとも、SBIのゼファーに対する貸付金120億円の方は、十分な担保をとっているとされる。
いずれにしても、ゼファーの破綻は、現在進行している不動産不況が相当深刻なものであることを象徴している。これは単なる〝序章〟に過ぎないかもしれない。「すでに不動産不況の影響はゼネコンに波及し、〝危ない〟とされる建設会社の名前が幾つか挙がっている。いまのところ、不況は不動産・建設セクターに限定されており、今後予想される〝倒産劇〟も市場のガス抜き程度で落ち着けばよいが、場合によっては、これが日本経済全体に深刻なダメージを与える可能性もある。なかでも、金融セクターが一番心配で、ここがやられると簡単に立ち直れないことは〝失われた10年〟を見ても明らか。最も注視しなければならないのは実は金融セクターだと思う」(前出の証券業界紙記者)
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