「検証NEC・シンシアの闇」関本街宣事件の真相③
2000年1月、全労共の今井氏が何故、NECと関本忠弘元会長らに対して〝街宣攻撃〝をかけるに至ったのか。前回、今井氏の調書をもとに再現した。今井氏は原町共栄クリーンの「債権回収」をするため、福島県内で様々な活動を展開していく中で、親会社が高和(現シンシア)であることを前年の99年秋頃に突き止める。そこで同氏は、高和側と接触したが、「(原町共栄クリーンの)権限は静岡在住の塚田竜堂氏にある」と言われている。
この塚田竜堂なる人物は、原町共栄クリーンが福島県内で当時進めていた最終処分場について、高和から「業務委託」という形で〝裏の対策〟を任されていた。塚田氏には「業務委託費」として11億円余りの金が流れているが、そのほとんどが〝闇社会〟に消えたと見られている。塚田氏は自ら「住職」を名乗っているものの競売物件の占有事件などに登場し、広域暴力団稲川会森田一家の顧問を務めていた、との報道もあった。
そのため、高和側にとって当初、「ややこしい人間」に過ぎなかった全労共の今井氏に、〝裏対策〟を任せていた塚田氏の名前を出したのであろう。今井氏の陳述によれば、塚田氏の所在を求めて静岡県に足を何度も運んだが結局、会えなかったようだ。
再び高和を訪れた今井氏は、同社の実権が中西雄三社長(現会長)にあることを知り、執拗に面会を求めたが拒否され、中西氏の自宅にまで押しかけている。そこで、「塚田竜堂氏とあった上で、よく確認して、原町共栄クリーンが払わなきゃいかんというものであれば、ちゃんと話はします」との中西氏の回答を得た。
その後、中西氏から今井氏に直接連絡があり、高和本社内での「正式面談」にこぎ着けている。中西氏は「(原町共栄クリーンには)実は問題がある」と言って、『国会新報』4枚を見せ、「今井さんはご存知ないか」というようなことから2人の話は始まったという。当時、『国会新報』は、原町共栄クリーンの「株券偽造事件」などを詳細に報道。中西氏と西垣浩司前NEC社長の「癒着関係」についても取り上げていた。
こうした事件では、攻めていた側がいつの間にか〝味方〟になっているケースがよくある。彼らが実は〝利害得失〟のみで動いているからだ。今井氏も、この「正式面談」以降、攻撃対象をNECと関本元会長に切り替えている。今井氏は明確には述べていないが、そこには中西社長の〝示唆〟があったことを窺わせる。もちろん、そこには利害の一致もあった(後に今井氏側に巨額資金が提供されていた事実が判明)。こうして『国会新報』の背後に関本元会長がいる、との街宣攻撃が始まった。
そして、今井氏の調書によれば、この〝関本攻撃〟の材料・情報を鈴木俊一NEC専務(当時=関連部の担当部長)から直接得ていたのである。
(取材・文 奥村順一、以下次号)

