カテゴリー「検証NEC・シンシア」の3件の記事

2005年10月24日 (月)

「検証NEC・シンシアの闇」関本街宣事件の真相③

2000年1月、全労共の今井氏が何故、NECと関本忠弘元会長らに対して〝街宣攻撃〝をかけるに至ったのか。前回、今井氏の調書をもとに再現した。今井氏は原町共栄クリーンの「債権回収」をするため、福島県内で様々な活動を展開していく中で、親会社が高和(現シンシア)であることを前年の99年秋頃に突き止める。そこで同氏は、高和側と接触したが、「(原町共栄クリーンの)権限は静岡在住の塚田竜堂氏にある」と言われている。

この塚田竜堂なる人物は、原町共栄クリーンが福島県内で当時進めていた最終処分場について、高和から「業務委託」という形で〝裏の対策〟を任されていた。塚田氏には「業務委託費」として11億円余りの金が流れているが、そのほとんどが〝闇社会〟に消えたと見られている。塚田氏は自ら「住職」を名乗っているものの競売物件の占有事件などに登場し、広域暴力団稲川会森田一家の顧問を務めていた、との報道もあった。

そのため、高和側にとって当初、「ややこしい人間」に過ぎなかった全労共の今井氏に、〝裏対策〟を任せていた塚田氏の名前を出したのであろう。今井氏の陳述によれば、塚田氏の所在を求めて静岡県に足を何度も運んだが結局、会えなかったようだ。

再び高和を訪れた今井氏は、同社の実権が中西雄三社長(現会長)にあることを知り、執拗に面会を求めたが拒否され、中西氏の自宅にまで押しかけている。そこで、「塚田竜堂氏とあった上で、よく確認して、原町共栄クリーンが払わなきゃいかんというものであれば、ちゃんと話はします」との中西氏の回答を得た。

その後、中西氏から今井氏に直接連絡があり、高和本社内での「正式面談」にこぎ着けている。中西氏は「(原町共栄クリーンには)実は問題がある」と言って、『国会新報』4枚を見せ、「今井さんはご存知ないか」というようなことから2人の話は始まったという。当時、『国会新報』は、原町共栄クリーンの「株券偽造事件」などを詳細に報道。中西氏と西垣浩司前NEC社長の「癒着関係」についても取り上げていた。

こうした事件では、攻めていた側がいつの間にか〝味方〟になっているケースがよくある。彼らが実は〝利害得失〟のみで動いているからだ。今井氏も、この「正式面談」以降、攻撃対象をNECと関本元会長に切り替えている。今井氏は明確には述べていないが、そこには中西社長の〝示唆〟があったことを窺わせる。もちろん、そこには利害の一致もあった(後に今井氏側に巨額資金が提供されていた事実が判明)。こうして『国会新報』の背後に関本元会長がいる、との街宣攻撃が始まった。

そして、今井氏の調書によれば、この〝関本攻撃〟の材料・情報を鈴木俊一NEC専務(当時=関連部の担当部長)から直接得ていたのである。

(取材・文 奥村順一、以下次号)

2005年10月 4日 (火)

[検証NEC・シンシアの闇]関本街宣事件の真相②

20051004114423〝街宣攻撃〟から約1年が経過した01年4月23日、関本忠弘NEC元会長は、全労共の今井邦雄、市川貴史両氏を「名誉毀損」で訴えた。損害賠償請求額は5000万円。

訴状(=写真)によると、「原告(関本氏)は竹内陽一および紺野みのるとは一面識もない。また、原告は上記両名が主宰しているという『月刊官界』あるいは『国会新報』関係者に対し、極秘文書はおろか、何らの情報も提供した事実はない。従って、原告が上記両名を手先として、NECの社内極秘文書を漏洩したことを前提とする(今井、市川両被告の街宣活動、ビラ配布)は虚偽の事実を適示するもので、重大な名誉毀損に当たる」というのが、訴えの骨子であった。

関係者によると、「関本さんにとって全労共の今井らは、ある意味どうでもよかった。あくまでも狙いは、全労共の背後にいる人物たちを裁判を通じて炙り出すことにあった。すでに関本さんには、その目星がついていた。それで裁判に打って出たわけです」という。

同裁判は公判を重ね、翌02年7月31日には最終弁論が行われた。この日は関本氏自らが証人に立つということで、マスコミ関係者も傍聴に駆けつけた。

まず、被告である全労共議長・今井邦雄氏の証言を、「本人調書」から筆者の責任において要約・再現する。

今井氏は最初に、全労共の設立経緯などを説明しているが、もう1人の被告・市川氏は陳述書の中で「全労共は債権回収などを仕事とし、メンバーは7、8人いたが、今井以外の者は何も分かっておらず、今井の指示で行動していた。芝居のエキストラみたいなものでした。執行委員長という肩書きが付いたからといって、下っ端ということに変わりはなく、今井の指示に従って街宣活動の場所へ行き、旗を振ったり、ビラを配ったり、拡声器で原稿を読んだりしていただけで詳しい内容については全く分かっていませんでした」と述べている。

このように、全労共という組織は表面上、労働組合を名乗っているが、実体は債権回収を生業としている今井氏が主導する団体であった。

その今井氏が、なぜNECに対して街宣活動をするに至ったか、次のように述べている。

①造園業「萩原商会」(95年倒産)の原町共栄クリーンに対する債権1億5000万円を回収するため、交渉に出向いた。
②原町共栄クリーンが「高和」(現シンシア)と関係があることを99年秋に知った。
③原町共栄クリーンの当時の代表者・持田氏と高和の応接室で会い、貸金の扱いについて話したが、静岡在住の塚田竜堂氏に権限があるという回答だった。
④そのため、静岡に何度も足を運んだが塚田竜堂氏とは会えず、持田氏に再度、面談を求めた。その結果、実権は高和の代表者・中西雄三氏にあることが分かった。
⑤中西氏に再三再四、面談を申し入れたが、拒否されたため、自宅へ行き中西氏と会うことができた。その際、中西氏は「近日中に静岡に行って、塚田竜堂氏とあった上で、よく確認して、原町共栄クリーンが払わなきゃいかんというものであれば、ちゃんと話はします」と述べた。
⑥その数日後、中西氏に電話したところ、原町共栄クリーンの債権債務については飯島弁護士に委任した旨を告げられる。
⑦飯島弁護士との面談日を決め出向く。何とか前向きに解決したい、という回答だった。打ち合せが終わり、前橋に帰る途中、中西氏から(今井氏の)携帯電話に会いたいと言ってきた。
⑧高和本社で中西氏と正式な面談を行った。その際、中西氏は「原町共栄クリーンを、高和としては、株式を100%取得して、子会社として建設に向けてやっていこうという矢先に、実は問題がある」と言って、『国会新報』4枚を見せ、「今井さんはご存知ないか」というようなことからスタートした。
中西氏は「(高和は)日本電気の子会社で、ややこしい問題になると手を引かざるを得ない」とも述べたが、そうなると原町共栄クリーンの債権債務は以前の代表者・狩野勝氏の個人保証しかなくなるため、(中西氏には)経営を継続してほしい、と回答した。
⑨この中西氏との正式面談ができる以前に、NEC本社に行き、総務課長と会い、親会社として正式な指導をしてくれと要求していた。
⑩その後、いわゆるNEC内部の問題について、知るところになった。西垣社長と前会長の関本氏、それぞれの配下、部下たちのどろどろとした関係を知り、(00年1月に)抗議文書などを送った。

以上が、今井氏が「なぜ街宣活動に至ったか」を述べた部分である。これは被告側代理人の質問に答えたもので、その点を割り引いて考えなくてはならない。しかし、⑧の「中西雄三社長との正式面談」以降、今井氏の〝攻撃対象〟が、それまでの高和、原町共栄クリーンからNECに切り替わったことは証言から明らかであろう。今井氏は明確には述べていないが、そこには中西社長の〝示唆〟があったことを窺わせる。

さらに、この街宣事件の背景には、原町共栄クリーンを巡る「最終処分場」建設問題が大きく横たわっていた。中西氏が見せた『国会新報』4枚の記事とは、まさに同問題を告発する内容だったのである。

(以下次号、取材・文 奥村順一)

2005年9月26日 (月)

[検証NEC・シンシアの闇] 関本街宣攻撃事件の真相①

2000年1月27日、NEC本社前に数台の街宣車と一群の男たちが突如として現れた。

街宣車の横断幕には「発覚!事件屋・企業ゴロ(竹内陽一、紺野みのる)らとの密接関係!NEC日本電気取締役関本忠弘の悪行の数々 NECは企業責任において断固解任せよ!」などと書かれていた。

男たちは拡声器で、「関本相談役は社内極秘文書の漏洩を部下に指示し、事件屋グループが発行するゴロ新聞に事実無根の記事を掲載させた。関本相談役の辞任が何よりも肝要であるが、それがなされない場合は、解任を断行せよ」というような主張を繰り返した。

当時の様子をあるNEC社員は、「彼らが何を言ってるのかサッパリ分からなかったが、関本さんに辞めろと言ってることだけは理解できた」と振り返る。

20050926150915この街宣攻撃を仕掛けたのは、「全国建設労働者共闘会議」(以下、全労共)という団体。全労共は群馬県前橋市に本拠を置き、議長は今井圭一(本名・邦雄)氏である。通常、こうしたスタイルで「企業攻撃」を展開するのは右翼団体がほとんどだが、何故か全労共は「労働組合」を名乗っていた。しかし、全労共には労組としての実体はなく、もっぱら債権回収などを行う「エセ左翼団体」であることが後に判明している。

こうした「謎の組織」の登場に、NEC社内が騒然としたことは言うまでもない。全労共による街宣攻撃は執拗を極めた。本社前の街宣は2月8日まで、ほぼ連日行われ、「目を覚ませ NEC日本電気!抗議」と題するビラ(=写真)がNECグループ46社に郵送もしくは持参されている。

さらに関本忠弘元会長の自宅に対しても2月12日から3月7日までの間、街宣車を駐車させ、「NEC関本忠弘辞任」「NEC関本解任」「関本やめろ」などと大書した段ボールを肩から被った数人の男たちが徘徊したという。

当時、関本氏は「防衛庁事件」の責任をとり会長職を退いて、取締役相談役の地位にあった。しかし、全労共による「街宣事件」の影響で、この年の6月に行われた株主総会で関本氏は取締役を辞任している。あるNEC幹部は次のようにいう。
「西垣浩司社長(当時)から街宣事件のことなどを指摘され、関本さんは取締役を辞めるよう勧告された。この時、関本さんは抵抗したが、社内はこれ以上、揉め事を起こしてくれるな、という雰囲気で、やむなく取締役を退き相談役となった」

このように、全労共の「街宣攻撃」はまんまと成功を収め、その背後にいた人物らをほくそ笑ませる結果となった。しかし、ここから関本氏の〝反撃〟が始まる。

関本氏は翌01年4月、全労共の今井議長らを「名誉毀損」で提訴。その後の公判や証拠資料などの中から次々と〝驚愕の事実〟が明らかになっていくのである。
(以下次号、取材・文 奥村順一)

Twitter@奥村順一


  • 編集長・奥村が裏情報などいろいろとつぶやきますので、よろしければフォローお願いします。
  • @TokyoOutlaws | Twitter

内部告発・情報提供を求む

  • 内部告発・情報提供はtokyo-outlaws@nifty.comまでお願いします。本誌スタッフが取材し、記事化いたします。

アウトサイダーズ・レポート


  • 「東京アウトローズ」でエナリス粉飾決算事件などを報じた半田修平が独立。「総提灯記事化」するマスメディアに対抗し、〈インサイダー〉とは一線を画した言論を展開する。
  • OUTSIDERS report

Twitter@東京アウトローズ


  • マルクス主義を標榜する編集長・奥村順一が独断で展開する「東京アウトローズ」裏バージョン。反米・日米安保粉砕。安倍極右政権打倒、沖縄辺野古新基地建設阻止、在日米軍は即時撤退せよ。多国籍企業を利する「日米FTA」交渉に断固反対。非正規労働者の党と反資本主義潮流を。体制の補完物である大手メディア批判、そして全世界で闘う人民大衆の動きにも眼を向けていきたい、と思います。私たちは独自の視点から大企業・独占資本の不正をあばく「戦闘的ゲリラ・マガジン」を目指します。創刊時の「ゲリラ精神」を完全に忘れ、警察権力と癒着し利敵行為に走ったアクセスジャーナル山岡俊介弾劾!
  • Twitter@東京アウトローズ

訪問者


「原発利権」白川司郎による言論弾圧弾劾!!

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

広告

無料ブログはココログ