カテゴリー「経済コラム」の35件の記事

2010年6月 2日 (水)

【新企画】金融経済評論家・松本弘樹「今月のマーク10銘柄」、第3回発表

334_2_2Matsumoto■兼松日産農林(7961)
■セレブリックス(2444)
■日本インター(6974)

■アイビーダイワ(3587)
■インスパイアー(2724)
■NESTAGE(7633)

■オートウェーブ(2666)
■東邦グローバルアソシエイツ(1757)

■CSKホールディングス(9737)
■アートコーポレーション(9030)

2010年4月22日 (木)

【新企画】金融経済評論家・松本弘樹「今月のマーク10銘柄」、第2回発表

334Matsumoto 【第2回マーク銘柄】

■ラオックス(8202)
■インデックスHD(4835)

■ゼクス(8913)
■セイクレスト(8900)
■プラコー(6347)

■東邦グローバル(1757)
■シルバー精工(6453)
■ディー・ディー・エス(3782)

■黒崎播磨(5352)
■児玉化学(4222)

【参考記事】
http://outlaws.air-nifty.com/news/2010/03/post-9b1e.html

2009年12月14日 (月)

【連載コラム】金融経済評論家 松本弘樹「マネーゲームの罠」

【第18回】会社を私物化する輩(やから)達 

334Matsumoto3 仕手筋の片鱗

昨年の12月も押し迫った頃、小関氏は私を訪ね、いよいよ具体的なファイナンス計画を話してきた。大筋は彼らが既に決めていたことで、東証とも確認は取れている旨を伝えられ、引き受けの一部に加わらないかということであった。そして、私は懇意にしている海外の投資家に声をかけたが、ファイナンスの発表時期と投資家の準備があわず、発表時に名前を加えることは見送りとなった。

その代わり、彼らは自分たちのグループから一部譲渡させるからということで、私は継続的に協力することになった。その間いろいろな情報が私のところに集まってきた。バナーズは投機的な投資で企業業績が悪化したこと、同社の実質的オーナーは箱根筋の小林という人間で兜町ではかなり評判が悪いこと、私がかかわるなら十分注意するように等々、いろいろな助言をいただいたのである。

しかし、同じ反社会勢力に脅かされ、私のところを訪ねてきたという妙な連帯感から、慎重に対処するいつもの姿勢が若干かけていたのも事実だった。私がこの会社を再生することは、これまで自分の著作で主張してきた活動の金字塔になるのではないか、という使命感みたいなものも影響した。

小関氏は何回か面談するうちに、自然と本名の小林を名乗ることとなり、会話もいつかしら小林で進むようになった。ある時、彼は私にファイナンス後の計画を持ちかけてきた。今の時価で株式を発行すると、発行済み株数は4億株になり非常に重くなる。したがって同社を株式併合して発行済み株数を減らし、そのタイミングを狙って吊り上げないか、という話であった。

私は、その旧態依然とした仕手筋の発想、直近で言えば「千年の杜」のパターンであるスキームに否定的だったので、小林氏にそのような時代錯誤的な手法はやめるべきだ、と丁寧に諭した。発行済み株式総数を変更しても、それは心理的なまやかしに過ぎず、実態は何も変わらない。むしろマネ―ゲームを助長するだけで、多くの個人投資家を裏切ることになり、その結果は何も生まれない。それよりも誰もが納得する業績好転の裏づけが必要だ。一般投資家の支持なくして高株価は実現してはならない、と私は自分の持論を1時間ぐらい小林氏に伝えたのだった。

その場で彼は納得し、本格的に会社の建て直しを手伝ってくれ、ということになった。私も、わかってくれたことに感謝をし、その提案を快諾した。この年の12月24日、バナーズのファイナンスは予定通り発表され、私にとっても自分の仕事の集大成となるイベントがスタートしたはずだった。しかし、今思えば、それは私に与えられた「最悪のクリスマスプレゼント」だったのである。

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2009年12月10日 (木)

【連載コラム】金融経済評論家 松本弘樹「マネーゲームの罠」

【第17回】会社を私物化する輩(やから)達

1 招かれざる客

334Matsumotoちょうど1年前、私の著作の熱心な読者だということで1人の老人の訪問を受けた。読者と称する人が訪ねてくることは決して珍しいことではない。いつものように私はその人物の訪問をあっさりと受け入れた。

老人は「小関」と名乗った。小奇麗な格好をした老紳士は投資家を思わせたが、いきなり西田晴夫氏の思い出を語り始めた。私は本の中で彼を取り上げているので不思議ではなかった。しかし、私が記憶している限り、「小関」という人物はいっこうに思い当たらない。それがかえって私の好奇心をかきたて、老紳士の話に熱心に耳を傾ける結果になった。

そこには、西田氏の公務員時代の話や私の知らないエピソードもちりばめられており、ある意味、新鮮な出会いとなった。こうして西田氏の思い出をふり返っていると、あっという間に時間が過ぎ、その日は次回も会う約束をして笑顔で別れたのだった。

それから数週間が経ち老紳士と再会すると、彼はある相談事を持ちかけてきた。それは自分が大株主である上場企業に関する相談であった。ところが、「バナーズ」という名を聞き、失礼ながら私は「なんじゃそりゃ」と、老紳士にはっきりと伝えた。株の業界に精通している私ですら聞きなれない社名。老紳士は昔の埼玉繊維であると語った。

「埼玉繊維?」私の遠い記憶は微かであるが蘇ってくる。西田氏の後半期、まだPSI証券が廃業する前、一時相場になって騒がれた銘柄、でも西田はメインで語ることなく・・・・・。そんな記憶がフラッシュバックのように蘇り、旧埼玉銀行と近くボロ会社だが資産がある、と誰かが語っていたのを思い出したのだった。

「でもあれはワールドの畑崎氏や箱根筋ではなかったか?」
ということは、この眼の前の老紳士は箱根筋のメンバーなのか等々、私の頭の中はにわかに高速回転で動き出していた。  

2 強引な相談

その後、老紳士は埼玉繊維について事細かに説明しはじめた。なぜ、この会社に目を付けたのか。おおよそ西田氏が当時、関係者に話していた内容と一致する。経営悪化していた旧埼玉銀行の関係でボロ会社だが資産はある、株価が安いので魅力もある等々であった。

しかし結局、西田氏は手を付けることもなく、目の前にいる老紳士が関係者同士で買い上がり、その後、社名を「松佳」と変えて投資会社とし、地道に会社を助けて現在に至る、ということであった。

ところが最近、困ったことがあるというのだ。反社会勢力の連中が会社を脅迫している、と老紳士は意外な事実を打ち明けた。すぐさま私は、「警察に」と言うと、老紳士はすでに届け出ていて、証拠も押さえていると語った。

「それなら」ということでその場は終わったが、今思えばそれは巧妙に私の正義感を刺激するように仕掛けられた大きな企みの助走に過ぎなかった。老紳士は、バナーズの業績、そして何よりも株価が2円、3円という上場企業としては信じられない株価について相談してきた。会社を再生したので是非力を貸してほしい、と頼まれ、私も自分の本業なので単純に仕事を受けてしまったのである。

時価総額と事業再生の問題を同時に解決するには、マーケットからのファイナンス(資本調達)が常套手段である。私はざっくりと財務諸表も見ていたので、自分なりの再生プランの青写真を描いていた。だから自信もって、増資引き受けを一部手伝ってほしい、との老紳士の依頼に応じたのであった。(以下、次号に続く)

2009年9月 4日 (金)

【コラム】本誌・宝田豊「新マネー砲談」番外編、「デー・ビーとは?」

証券界の業界用語であるデー・ビー(DUE BILL)を補足説明しましょう。以下、私の若い時の体験で御想像ください。時効になった今だから書ける、反社会的人物との取引です。

30年ほど前、全国的に有名な関東の広域暴力団本部の若頭から、現物株の買い注文を受けました。とても御世話になった既存客の御紹介ですから、おいそれと断り切れなかったのです。なによりも、頂戴する巨額の委託手数料が私の頭を掠めました。

1000円前後の優良株A社を4万株、約定代金で概算4000万円なのですから。当然ながら保護預かりは無理で、券面は4日目に引き出しです。暫くすると、A社はめでたく値上がりし、お客さんから電話を頂いて無事に売却できました。そして、4日目の決済日に顧客の事務所に伺ったところ、トンでもない騒動が起きていたのです。

前の晩に麻雀でコテンパンに負け、足りないゼニは現金の代わりに株券を3枚渡しちゃった」と告げられました。まさに目に前が真っ暗になって、「この糞オヤジ、約定順守をぜんぜん理解していないのか、俺の立場はどうなるんだ、金で片付く問題じゃないぞ!

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2009年8月25日 (火)

【連載コラム】金融経済評論家 松本弘樹「マネーゲームの罠」

【第16回】ケーススタディ(2) 「NOWLOADING(後篇)」

画像 334matsumoto中川は、名証からの意見として今回の新規増資は受け入れられない、との返事をしてきた。

「え、なぜ?」と私は聞き返すと、
彼の説明は、「(セントレックスの担当者が言うには)東方ネットジャパンは投機的で野蛮な投資家であって、NOWLOADINGという上場会社を市場のおもちゃにする疑いがかかっている」というのである。セントレックスは増資払い込みの直前、株価が乱高下したことを理由に挙げたらしい。

この件に関して(後日分ったことであるが)、私たちはとんでもない濡れ衣を着せられていたことが判明する。私たちは、一切株価に興味がないので、疑うなら徹底的に調べてもらえばよい、と突っぱねた。そして実際、名証は調べたらしいのだが、彼らは私たちには何も返事をしてこなかった。

何故なら株価を乱高下させたのは、何を隠そう中川の関係である、既存大株主の株好きの面々で、彼らはインサイダーまがいの取引をしていた、というのだ。もっとも、中川との関係はそれほど密接ではなかった、とも聞いている。おそらく、名証は取引口座を確認できるので、事実に気づいたのであろう。

こうして名証は、私たちに一切説明もコメントも避けるようになったのである。たしかに、当時のセントレックスはライブドア以降、連続して不祥事が起きて、監督官庁からもきつく指導を受けていた。ここで事を荒立てる、とまた同じような不祥事が露呈してしまうことになりかねない。

セントレックスの担当者はその知識レベルが低く、私は不安を抱いていたが、案の定、ろくに調べもせずに規制の対象にしてしまったのである。しかし私たちは、ハイ、そうですか、と簡単に引き下がるわけにはいかなかった。何故なら、ゲームで株式投資をしているのではないからだ。

個人投資家なら規制のひとつとして受け止めるかもしれないが、事業として投資をし、ビジネスとしてリスクを背負っている以上、それを認めると事業会社として多大な損害を被ることになる。そう判断し、必死の反論に出たのであった。

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2009年8月24日 (月)

【連載コラム】金融経済評論家 松本弘樹「マネーゲームの罠」

【第15回】ケーススタディ(2)「NOWLOADING(前編)」

画像 334matsumotoその男、NOWLOADING代表取締役社長中川哲也が、私たちのところに来たのはエフェクター細胞研究所の川添氏からの紹介であった。彼はすぐに会社が窮地であることを説明し、資金が必要であることを主張。増資による資金調達を要求してきた。

私たちも上海東方ネットとの関係強化から日本の上場会社との事業推進が急務であったこと。さらに、前述したようにジーエフでの一連の出来事で早急な軌道修正を求められていたことから、中川との交渉はすんなりと進んだ。

そして私たちは、段階的にNOWLOADINGの経営主導権が譲渡される形での増資と事業再生プランを進めていった。その交渉経過の骨子は以下のとおりである。

(1) 東方ネットジャパンは、2億円の第三者割り当て増資を引き受ける。条件は当時の市場価格より高い6万円で3333株(22%)。
(2) 東方ネットジャパンとは業務提携を結び、社長は中川続投で、そのかわり役員を段階的に東方ネットジャパンから2名ほど入れること。あわせて上海東方ネットとの積極的な業務提携をも締結すること。
(3)そのために追加的な資金が必要となることから東方ネットジャパンに新株予約権を付与し、それが行使された段階で経営権を段階的に委譲すること、
等々であった。  

この条件提示でもわかるように、私たちは早急な裏上場を仕掛けたわけでもないし、段階的な権利行使であるためマネーゲーム的な投資でもなかった。事業リスクを共に背負い、互いに共存共栄していくという前向きな提携を、この契約で既に明言していたのである。私、松本のスタンスからしても、株価を投機的に吊り上げたり、そのマジックによって無責任に会社を荒したりする気が全くないことは、この交渉に立ち会っていた人ならば容易に分かるものであった。

さらに、この新株を時価よりも高い値段で引き受け、払い込みまでに株価が急落したにもかかわらず堂々と払い込んだことは、私たちが事業推進に絶対の自信を持っており、目先の株価の動きに全くこだわっていなかったことの証明でもあった

払い込みが完了して、中川から打ち上げをやりましょう、という申し入れがあった。そこで初めて、新海という今まで交渉に立ち会っていなかった人物を中川から紹介された。彼は中川のビジネスの先輩で、いろいろとアドバイスを受けているとのことであったが、当時調べてみても、そのような人物はNOW社の役員や従業員名簿に存在していなかった。

今思えば、この新海こそがNOW社の「影のオーナー」であった。後に知ることになるのだが、新海は過去にわいせつなビデオの販売と巨額脱税で国税からマークされたことのある、とんでもない人物だった。

打ち上げの場で、私たちは一日でも早く事業を立て直すべきだと話題を進め、翌日からの関係各所への段取りを話し合った。そして、私を除く中川、新海、片平(東方ネットジャパン社長)の3人はその数日後、早速、上海東方ネットとの業務提携のため旅立ったのである。この頃はすべてがスムーズにいっていた。  

無事に彼らは現地で提携を決め、いよいよこの提携を世に発表する運びとなっていた。私は現場でその実務を担当し、取引所や当局の関係者とのネゴを準備していた。ところが、会社側のスタッフが一向にこちらの指示通りに動かない。おかしいと思った私は、中川に作業を進めるよう打診したが、今度は中川自らもお茶を濁しはじめた。

そして新規事業のため、新株予約権の追加増資計画も実行しなければならないので、中川を名証セントレックスに事前説明に行かせようとしたところ、とんでもない事件がおきたのである。(以下次号)

2009年8月11日 (火)

【ミニ情報】経済評論家・松本弘樹「第2回勉強会」、前回上回る50人を集め盛大に開催

DSCN2784本誌で告知していた、経済評論家・松本弘樹氏の「第2回勉強会」(=左写真)が7日、都内で開催された。マスコミ、証券業界、ベンチャー企業、学生など幅広い層から前回を上回る約50人が集まった。会場となったのは、JR錦糸町駅前の「すみだ産業会館」。ちなみに、このすみだ産業会館は、昨年破たんしたトランスデジタルが債権者集会を開いた場所でもある。

松本氏は、ここ10年間の証券界におけるファイナンス・アレンジャーたちの相関関係を詳細に解説。黎明期(96-99年)→発展混迷期(00-02年)→乱立期(03年~現在)という中で、彼らの存在がどのような変遷をとげてきたのか、松本氏自身の体験も踏まえながら述べたが、「現在は、我々のようなプロではなく、素人の企業ファイナンスへの安易な参入が目立つ」と強調した。

今回、特別講演したのは、経済誌などで活躍するジャーナリストの淡路英司氏。新興市場などでうごめく仕手筋について、取材のエピソードを交えながらベテランらしい話を展開した。本誌・奥村は、いわゆる「中澤マネー」が流れた先の一つと見られるトランスデジタルについて報告。人脈チャート図を示しながら、どの辺りに事件性があるのか、この間の取材にもとづくポイントを幾つか指摘させていただいた。

今後は、複数の講師を招いて、特別講演などをさらに充実させていく予定だ。ご期待ください。

2009年7月24日 (金)

【連載コラム】金融経済評論家 松本弘樹「マネーゲームの罠」

【第14回】ケーススタディ(1)「ジー・エフ(後編)」

334Matsumotoたしかに、ジー・エフの増資引受の作業をしている前後、株価が急騰したという話は聞いていた。しかし、私たちはこうした仕事を「生業」にしている手前、ファイナンス前後の株価には全くと言っていいほど興味がない。自分たちの関わった銘柄には長期的な興味はあるが、それは事業が具現化した結果であって、「イチカイ・二ヤリ」に一喜一憂している暇などないのである。

そんな払込時期が迫っていた頃、私たちの拠出する資金が海外送金の遅れで、数日(1日か2日)ズレルという事実が分かった。私たちは正直にその旨を伝え、ファンド出資者間で資金を数日融通できないか要請した。ところが、不思議なことに私たちがそれを頼むと、そろって他の2社が出資そのものに難色を示すのだ。それなら話し合おう、とする間もなく、他の2社はジー・エフにファイナンスの中止を申し出てしまった。

私と片平は、翌日事情を説明するためジー・エフを訪問したが、当時社長だった仲吉氏は非常に激怒していたのを強烈に覚えている。今思えば、仲吉氏はこの情報をもとに自社株を購入しており、おそらく株価暴落を懸念していたのであろう。そうとは知らない私と片平は、正直に不手際をわび、代わりにできる措置を聞き出そうとしたのであった。
  
ファイナンスが中止になった2日後、資金の着金が確認され、私たちは再度ジー・エフに出向いた。自分たちが出資する予定の1億円は今手元にある。それだけでも単独出資させて欲しいと。当時、ファイナンスの切り替えには手続上1カ月ほど掛かった。今でこそDES(デットエクイティスワップ)という手法があるため、一旦貸付金の形で入れた資金を、その時期の株価で株式に変換する、というスキームも可能だ。

しかし、当時はそれがまだ認められていなかったため、結局、単なる貸付金にとどまった。当然、私たちは代償として株式の取得を要望したのは言うまでもないが、彼らは頑なにこれを拒んだ。むしろ、当社とジー・エフが手を組み、中国資本の支援で事業拡大をはかるよりも、仲吉氏自身が感情に支配され、私たちと手を組みたくなかった、としか思えない。彼の下には岡田と加藤という役員がおり、次の経営を虎視眈々と狙っていった。

私たちが提案する話はほとんど断られ、結局その数日後、「日本アジア」という会社がファイナンスの引受として登場した。事前に全く知らされず、まさに寝耳に水であったが、ジー・エフ側はあっさりと私たちとの契約を打ち切り、1億円を僅かな利子をつけて送り返してきた。結果として、監査法人や証券取引所に対して資金が必要な時だけ、私たちを利用し、その時期が過ぎればあっさりと自分たちに有利な条件の会社と組む。まさしくそんな構造の話なのである。

その後、日本アジアは自分たちの持っている会社をジー・エフに付けたため、「不適切な合併等」の烙印を押され、再審査に持ち込まれている。ジー・エフ自体も日本アジアに解体。今は日本アジアに譲渡され、マザーズにぬけぬけと上場している。

会社の意思決定者である社長、役員の思惑により会社の将来が大きく左右され、それが結局誰の幸せになったのかは議論されない。そんな典型的な新興企業の事例の1つを、私たちは身をもって経験したのであった。しかし、このケースは投資した資金が返ってきた分まだ良い。私たちは次に上場会社による「犯罪行為」まがいの実例に遭遇するのであった。(次号に続く)

2009年7月22日 (水)

【連載コラム】金融経済評論家 松本弘樹「マネーゲームの罠」

334Matsumoto_2【第13回】ケーススタディ(1)「ジー・エフ(前編)」

まず、以下の記事をご覧いただきたい。

マザーズ上場会社の元会長がインサイダー」(産経新聞09年4月17日付)

<東証マザーズ上場のマーケティング会社「ジー・エフ」(現・日本アジアグループ)の元会長がインサイダー取引を行ったとして、証券取引等監視委員会は17日、金融商品取引法に基づき、同社の仲吉昭治元会長(67)に対し、課徴金170万円の納付を命じるよう金融庁に勧告した。監視委が課徴金制度に基づき、インサイダー取引で上場企業のトップを摘発するのは3例目。
 監視委によると、仲吉元会長は現職だった平成19年9~10月、自社が米国の投資事業会社からの出資を受け新株を発行する見通しになったことを12月21日に公表する前に、自社株100株(約312万円相当)を自己名義の口座で買い付けた疑いが持たれている。
 同社は当時、資金不足の状態にあり、新株発行の公表に市場は好感。公表後翌営業日にはストップ高となった。仲吉元会長は自社株が高騰する前に同株を買い付けるのが目的だったとみられ、高騰後も同株を売却していないという。同社によると、仲吉元会長は東京都内の玩具メーカー出身。平成3年にジー・エフの会長となり、日本アジアグループとの合併を契機に昨年6月、会長職を辞任している。>

実は当時、私は「東方ネットジャパン」の関係者としてこの案件に参加していた。私はソフトバンク退社後、自ら「アライアンスコンサルティング」という会社を立ち上げ、経営していた。キムラタンに関わっていたのはその時期である。その後、私は自らの会社(=アライアンス社)を休眠にし、3年前から片平真樹氏と組んで「イースタジア」という会社で投資事業を行っていた。

イースタジアは、その名のとおり日本をイーストアジアに位置付け、中国と日本の経済交流を基礎に投資的局面をカバーするため設立された会社である。その前身は「日中経済新聞社」、そして中国上海にある「東方ネット」の支援を受けて、東方ネットジャパンという看板を掲げ現在、イースタジアになっている。

当時私は、この東方ネットジャパンの一員として、ジー・エフの再生に関わり、本気で中国のインフラを使ったビジネス展開を考えていた。ジー・エフは度重なる業績不振と、株価下落で、上場基準の時価総額割れをおこしていた。そのため、ファイナンスによる資本増強を余儀なくされていたのである。

あるコンサルタント仲間から同社を紹介され、我々はその気になり、増資引受の意向を表明。しかし、紹介してくれたコンサルの要望で、当社1社ではなく、3社合同によるファンドでの引受けという形になった。そして、彼らが引き受け手であるアメリカの組合を用意し、同組合を代表とするジー・エフの増資がリリースされた。(以下次号に続く)

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