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2019年8月11日 (日)

【分析・詳解】 エフアール鈴木義彦「95億円」貸金返還訴訟関係証拠(1)、海外に1000億円を超える「隠匿資金」か

1.「合意書」と「和解書」

201908101449420001平成11年2月、東京オークションハウス(以下「TAH」という)の経営者である西義輝に、宝林(現サハダイヤモンド)株800万株の売却情報が持ち込まれ、西は調査の結果、スポンサーであるAに宝林株800万株の買取り資金3億円の相談をした。Aは資金の用意を約束し、買取り決済日(5月末)までに資金を西に預けた。

宝林株800万株を取得後、西と鈴木義彦は株価維持の資金に不安を覚えAに今後の資金協力を要請した。


二人は、宝林株だけでなく他の銘柄でも証券市場で高値で売り抜け利益を出すという計画を話し、鈴木が一人熱弁を振るってAを説得にかかった。そして鈴木は「これが成功しないと、Aに今までの借金の返済ができない」とも告げ、Aは鈴木と西の説得に応じた。そこで西が「合意書」の作成を提案し、その場で簡単ではあるが最低限の要件を整えた書面が作成されることになった。

【写真=エフアール鈴木義彦が2009年9月、海外から帰国した際に撮影された】

201908111438150005 「合意書」(=左写真)は、A、西、そして鈴木が株式の売買、売買代行、仲介斡旋、その他株取引に関することはあらゆる方法で利益を上げる業務を行うことを第1の約定とした。株式の銘柄欄は空白で、ただ「本株」とだけ書かれていたが、それが宝林株であることには疑いがなかった。また、「今後本株以外の一切の株取扱についても、本合意書に基づく責任をそれぞれに負う」ことや「合意書」に違反した行為が判明したときは「利益の取り分はない」と明記して、西と鈴木が継続的に株取引を実行する意思表示がなされた。

「合意書」が作成されてから約3週間後の7月30日、西が「宝林株で上げた利益」と言って15億円をAの会社に持参してきた。「合意書」に基づけば、一人の取り分は5億円だが、西と鈴木の取り分5億円をそれぞれAへの返済金の一部に充てると西が言うので、Aは15億円全額を受け取ったが、西と鈴木に心遣いで2人分として1億円を渡した。そして、翌7月31日、西と鈴木がAの会社を訪ね、15億円の処理が確認された。だが、その際、西と鈴木は具体的な収支の状況、その後の株取引の予定などについての説明を、鈴木と西は故意に避けた。ただ、Aから5000万円ずつを受け取ったことに二人は礼を述べていた。

株価維持のための資金協力をAに仰いで巨額の利益が生み出されたにも拘らず、鈴木と西はAを裏切り、利益を折半する密約を交わしてAには株取引の情報を伝えなかった。

鈴木に指示されて取得株式の売り抜けを全て任されていた紀井義弘は後日、「平成18年までの約7年間で得た利益の総額は少なくとも470億円以上」として書面にしたが、鈴木はAに相談することなく勝手にその大半を外資(ペーパーカンパニー)名義で海外に流出させ、さらにスイスのプライベートバンクに集約させていた。

西は平成18年10月2日、香港に向かった。「鈴木から利益金の分配金を受け取るため」だったという。「日本国内では色々まずい面もあるので、香港で受け渡しをしたい、と言う鈴木の意向に応じたものだった。もちろんA氏には秘密であった」。
ところが、西はタムと称する鈴木の代理人と会った直後に事件に巻き込まれ、殺されかけた。西が宝林の2回目の第三者割当増資の際にあっていることは紀井も承知していた。

西は香港から帰国後、ようやくAに香港に行った理由も含め、これまでの経緯の真相を語り始めた。Aはようやく鈴木が株取引で獲得した利益を独り占めにして、海外に隠匿している事実を初めて知った。
「合意書」に基づいて、平成11年7月から約7年間、株取引はずっと継続しており、しかも莫大な利益を上げるための原資は全てAが負ってきたので、何らかの入金があった時には、一旦全ての金をAに入金することになっており、鈴木が利益を3等分するのは当然のことだった。

平成18年10月16日にAと西、鈴木の三者協議が持たれた。その場でAは、西と鈴木が真実を話すようにと言い、その真実に沿ってしかるべき対応をするべきだと強く主張した。しかし、鈴木は頑として「合意書」に基づいた株取引を行った事実を認めなかった。だが、紀井が鈴木の指示で宝林以外の銘柄でもそれぞれ10億円単位の利益を出した事実について、西に説明している録音テープを聞かされたことで、鈴木は最後には宝林株取得の資金はAが出したことを認め、宝林株の取引が「合意書」に基づいたものであったことも認めた。最後には「社長には、これまで大変お世話になったので、西の話は受け入れられないが、この問題を解決するために50億円を払います」と言った。
201908111438150006 西があらかじめ用意しておいた「和解書」(=左写真)を鈴木の前に提示すると、鈴木は文言を何度も読み返し、真っ先に自筆で空欄となっていた金額欄に50億円(Aと西それぞれに25億円の意)と書き、併せて住所と氏名を書き記し指印した。書面には「最近の経緯から乙(西)丙(鈴木)は本合意書に反したことは明白である」との表記があり、合意書どおりならば2人には利益の取り分は無く、鈴木と西がそれを認めた事実は重い。

それから約1ヵ月後の11月末、鈴木はA宛に手紙を郵送し、「和解書」について「どうにも納得ができない」として「もう少し考えさせてほしい」という文言を書き連ねていた。そして、鈴木自身はAとの直接の交渉に応じず、代理人として平林英昭弁護士と友人の青田光市の二人を立てるので、代理人と交渉をして欲しい、という極めて無責任なものだった。

この手紙が郵送されて以降、鈴木は所在を完全に不明にして、交渉の窓口に立ったのは弁護士の平林英昭と友人の青田光市だったが、二人は問題を解決するどころか逆に紛糾させるだけだった。青田は「鈴木はAと西に脅かされて怖くなり、和解書に署名しなければ、その場を切り抜けることができなかった」と言い出し、また平林は“強迫”を基に「心裡留保」というありもしない状況を根拠にして「和解書」の無効を主張した。
平林はAと初対面の際に「社長さん、50億円で何とか手を打って頂けませんか? 50億円なら、鈴木もすぐに支払うと言っているんで……」と言ったが、「強迫」や「心裡留保」が事実ならば、そのような言葉を口にするはずはなかった。また、鈴木からAに送られた2通の手紙には強迫や心裡留保に当たる文言は一切なく、支払の撤回は西と紀井の情報漏えいを理由にしていた。しかも、和解書作成後の手紙にもAに対して「男として一目も二目も置く人には、今までほとんど会ったことがない」とか「大変お世話になった」と述べており、それ故に「強迫」だの「心裡留保」など有り得ず、平林が鈴木の依頼に応え苦肉の策で作り出した後付けに過ぎなかった。

201908111438150007 貸金返還請求訴訟において、鈴木は平成9年9月から同10年5月28日までの期間で発生した債務約28億円(ダイヤモンド、絵画、時計等の詐欺、横領分を含む)について、平成11年9月30日付でAが鈴木に対して交付した「確認書」(=左写真 債権債務は存しないとする)をもって「債務は完済された」と主張した。

前年の平成10年(鈴木は拘留中だった)にもエフアールの天野裕常務(当時)から「決算対策のために一旦預からせて欲しい」との要請があり、Aは預かっていた手形の原本を渡した経緯があった。この時には監査法人の監査が終了した直後に問題なく手形原本はAの元に戻った。

201908111438150009 それ故、手形原本をエフアールに預けるのは2度目ではあったので、Aは問題はなかろうと了解したが、さらに債権債務は無いとする「確認書」も欲しいという依頼があった。この手形の預け依頼は、2度ともAと鈴木(天野)の間に入った西が行っており、特に「確認書」の交付についてAは西に「大丈夫なのか?」と確認し、西が「手形原本の預けと『確認書』交付はエフアールの決算対策のために鈴木の要請によるもので、債務は返済されていない」旨を記した「確認書」(=左写真)を作成してAに渡した。

Aは同じ趣旨の「確認書」を西の会社(東京オークションハウス)にも交付したことがあったため、躊躇はしたが「確認書」の交付に応じた。西が手形原本と「確認書」をAから預かり鈴木に渡した後、鈴木からA宛に「無理なお願いをして申し訳ありません。本当に有難うございました」と礼を述べる電話があった。

そうした経緯がありながら、株取引の利益分配でAと西、鈴木の関係に溝ができ深刻な対立が起きると、鈴木は一切返済していない債務約28億円を反故にする為に「確認書」を持ち出した。鈴木が裁判で証拠として提出したのが唯一「確認書」で、このことだけでも鈴木の言動が嘘であることが分かる。

また、「合意書」に基づいた株取引を行った事実も認めず、「和解書」についても交渉で平林が主張した“強迫”と“心裡留保”を根拠にして、それを裏付けるような虚偽の出来事を陳述したのであったが、虚偽であることを裏付ける証拠も多く見つかっている。

裁判官は「合意書」については、鈴木が宝林株での株取引があったと認めたにもかかわらず、それに基づいた株取引が実行された証拠がないとして認めず、したがって「和解書」も無効だとする判決を下した。鈴木が認めた部分さえ証拠と捉えず、納得のいく説明がないままだった。

Aは、当然ながらそれを不服として控訴した。しかし、控訴審の裁判官は審理もろくに行わず、誤字脱字の修正のみで地裁判決を丸ごと支持する形でAの主張を退けた。

判決によると、「株取扱合意において定義されるべき分配対象利益の内容及び範囲は、余りに無限定というべきもの」であり、「被告に対して法律上の具体的な義務を負わせる上で最低限必要な程度の特定すらされていないものといわざるを得ない」という。
裁判官が、「合意書」の体裁や文言の定義づけに拘るのは仕方が無いとしても、鈴木の証言や主張は場面が変わるに従って、どんどんひどく変転した。A、西との対応や発言、鈴木が所在不明となって以後の平林と青田の支離滅裂で不当な主張、そしてそれを裁判ではさらに増幅させた。裁判官は、そうした鈴木の主張や証言の変転に何ら目を向けていなかった。

平成18年10月16日に和解書を作成した三者協議の後、鈴木は頻繁にAに電話を架け、「西の買い支え損は約70億と言っていたが、正確にはいくらか?」と尋ね、それを確認して「全体の利益より引いて3等分しないといけませんね」と鈴木はそこまで「合意書」の有効性を追認した。また1週間後の10月23日、鈴木が三たびAの事務所を訪れた。これほど立て続けに鈴木が姿を見せるのは珍しかったが、「和解書」で約束したAと西それぞれに25億円を支払うことと、その後2年以内にAに20億円を支払うことについて、より具体的な説明をした。鈴木は、少なくとも「不正があれば利益の分配は受けられない」ことが「合意書」に明記されていたからこそ「和解書」でも不正を認め、金額50億円の支払を提示したことが容易に推察される。それ故に“強迫”や“心裡留保”など根拠になりようがないのに裁判官はあっさりと採用してしまったのである。

鈴木のように二転三転するような証言を裁判官が証拠として採用することはない、というのが裁判所の通例であるにもかかわらず、ほとんどが虚偽の証言を裁判官は「合意書」と「和解書」の無効を理由にして、「(鈴木が)明確に意思表示した事実は認められない」と判断する一方で、西が「株取引の利益」と言って持参した15億円、鈴木が持参した10億円をAへの返済金と断定してしまったのは、あまりに不可解で、誤審といわざるを得ず、判決は誰が見ても誤りとしか言いようが無い。

原告の主張を裏付けるべき証言が必須だったはずの西義輝が平成22年2月に自殺し、「合意書」に基づいた株取引の実態を、説得力をもって裁判官に訴えることができなかった点は大きかった。

西はAに決定的な裏切りを働き、鈴木に言われるままAと鈴木の間の距離を意図的に作り出し、平成11年7月30日に15億円の利益金をAに納めて期待をさせながら、それ以後の株取引で利益が出ているのにもかかわらず、西は具体的な報告も実情も語らないままAから株価の買い支え資金を引き出し続けたのである。それ故、Aが当事者として「合意書」や「和解書」の作成経緯を法廷で正当性を訴えても、裁判官の思い込みを排除することはかなわなかった。

裁判官は「合意書」そのものを「あまりに無限定」で、合意書に必要な条件が整っておらず、「合意があったとは認められない」と酷評した。また
、平成18年10月16日付けで交わされた「和解書」についても、合意書が交わされた平成11年7月から数えて7年間余り、Aと西、鈴木の三者で具体的な報告や協議がほとんどなされていなかったのは、「合意書の存在を認めるにはあまりに不合理」と断じて「和解書」も無効とした。これは、完全に裁判官の思い込みによる判断ミスとしか言いようがない。

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