« 【一行情報】 金融ブローカー松尾隆らによる手形乱発、粉飾決算で大揺れの東証2部「郷鉄工所」、上場廃止を回避するためには現経営陣の「即時辞任」が必須条件 | トップページ | 【ピリ辛ニュース】 田邊勝己弁護士が実効支配する東証マザーズ「アクロディア」、5億円でおしつけた「渋谷肉横丁」の月間売上高はわずか600万円、買収時の「算定値」を大幅に下回っていることが発覚 »

2017年7月19日 (水)

【新連載】「田中角栄」再検証 自民党から失われた戦後保守政治の「良識」

Th

とうとう20%台の危険水域にまで支持率が落ち込んだ安倍政権。識者らからは、かつての自民党にはあった「良識」の不在を嘆く声がよく聞かれる。考えてみれば今年初めまでは50%超の支持率があって、最終的な憲法改正に向かいながら、「もりかけ」問題にほっかむりして共謀罪の強行採決に及ぶという、我が世の春を謳歌していた直後だけに、盛者必衰の理をそこに見た気がする。

ところで、昨年1月に石原慎太郎が『天才』という著書を著して以来、巷では「角栄ブーム」がおこっていた。これに対し、筆者としては奇異の念を抱いていた。強いリーダーを求める声は、リーダー不在の時にあがるものだ。一見すると強いリーダーかに見える安倍の人気が盤石だった昨年のタイミング。そこで角栄ブームがおこる明確な理由が見えにくかったからである。

もちろん角栄ブームには、本当の意味での「庶民宰相」を迎え入れる空気が当時の日本にはあって、ところが首相在任期間は約2年5カ月(866日)の短命に終わったという現実がオミットされ、都合よく伝説化されたという事情がある。つまり、昨今の角栄ブームは懐古趣味的なもので角栄が実際に首相にあった時の実情を踏まえたものではない。だが現実に、角栄ブームという現象はおこった。

強いリーダーが求められる理由として、先述のようなリーダー不在とともに、「現状打破」を願う気持ちというものがある。今回のような安倍人気の急激な凋落ぶりを見ると、巷にはびこった角栄ブームの理由はここにあったのではないかと思う。菅義偉官房長官の絶大なる官邸のグリップ力を背景としながら、高らかに憲法改正をかかげる安倍は一応は強いリーダーに見えた。

ところが裏を返してみれば、「お友達」ばかり。「もりとかけ」問題に見る利益誘導政治、首相が押し進めるどのような政策にも反対のさざ波一つ立つことなく付和雷同して賛成する大臣と議員たち。みんなお友達の既得権益保持者ではないか。そんな現状の硬直感が、現状を変えてくれる存在としての角栄を呼び戻したい思いに人々を駆り立てていたのではないか。

テレビ討論会に出演する識者からはこんな声がよく聞かれる。安倍を擁護するだけの菅義偉官房長官に対し、「後藤田正晴(中曽根内閣)、梶山静六(橋本内閣)、野中広務(小渕内閣)などの官房長官は、首相に対しても苦言を呈することもあった」と。考えてみれば、これらはみな旧田中派の人たちで、今の自民党から失われたダイナミズムの多くは旧田中派の人たちが担っていたということだ。ここにも巷におこった角栄ブームの片鱗がうかがえる。

その田中亡き後の政治状況をざっと見返せば、旧田中派の陰が薄くなると同時に自民党「保守」の「良識」という重石が取り払われていったと言える。例えば、小泉純一郎政権では高い支持率は維持したが、やったことと言えば、「自民党をぶっ壊す」との威勢の良い言葉による郵政民営化で、これは単なる、特定郵便局長らの支持を背景とした郵政票田を多く抱える旧田中派支配を分断する「政変」でしかなかった。

吉田茂から田中にまで引き継がれた、「アメリカなにするものぞ」という対米路線は、小泉・竹中らが従属に近い形で「新自由主義」を採用してから批判的にしか顧みられなくなった。田中的なものを色濃く引き継いだ小沢一郎は、湾岸戦争であくまで国連中心主義という「原理・原則」にこだわったが、やはり小泉政権のイラクへの自衛隊派遣からはなし崩しになり、安倍の集団的自衛権の解釈改憲に至っては、原理原則などといったものはどこにも見あたらない。どこに戦後保守の「良識」というものはあるのだろうか。

今回の安倍政権の急激な支持率低下は、そんな戦後政治の「見識」を踏まえないナシ崩しのエセ保守のメッキがようやく剝がれ始めた第一歩なのだ。
(本誌・原正吾)

« 【一行情報】 金融ブローカー松尾隆らによる手形乱発、粉飾決算で大揺れの東証2部「郷鉄工所」、上場廃止を回避するためには現経営陣の「即時辞任」が必須条件 | トップページ | 【ピリ辛ニュース】 田邊勝己弁護士が実効支配する東証マザーズ「アクロディア」、5億円でおしつけた「渋谷肉横丁」の月間売上高はわずか600万円、買収時の「算定値」を大幅に下回っていることが発覚 »

コメント

田中角栄をこんなに持ち上げていいんですかね、確かにいろいろいいこともしたと思うけれども日本をお金まみれにしたことは問題だと思いますがね

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/130981/65553259

この記事へのトラックバック一覧です: 【新連載】「田中角栄」再検証 自民党から失われた戦後保守政治の「良識」:

« 【一行情報】 金融ブローカー松尾隆らによる手形乱発、粉飾決算で大揺れの東証2部「郷鉄工所」、上場廃止を回避するためには現経営陣の「即時辞任」が必須条件 | トップページ | 【ピリ辛ニュース】 田邊勝己弁護士が実効支配する東証マザーズ「アクロディア」、5億円でおしつけた「渋谷肉横丁」の月間売上高はわずか600万円、買収時の「算定値」を大幅に下回っていることが発覚 »

「真相レポート」発刊のお知らせ


  • 「東京アウトローズ」創刊から15年。編集長・奥村順一と「財界展望」(現ZAITEN)編集部の元メンバーがここに結集し、新媒体『真相レポート』を発刊します。われわれの強みは、企業スキャンダル、経済事件などの分野で他の追随を許さない情報ネットワークと、何をも恐れない意志力にある、と自負しています。今後の展開にご期待ください。
  • http://shinsou-report.com/

Twitter@奥村順一


  • 編集長・奥村が裏情報などいろいろとつぶやきますので、よろしければフォローお願いします。
  • @TokyoOutlaws | Twitter

内部告発・情報提供を求む

  • 内部告発・情報提供はFAX 03-5837-4872 もしくはtokyo-outlaws@nifty.comまでお願いします。本誌スタッフが取材し、記事化いたします。

アウトサイダーズ・レポート


  • 「東京アウトローズ」でエナリス粉飾決算事件などを報じた半田修平が独立。「総提灯記事化」するマスメディアに対抗し、〈インサイダー〉とは一線を画した言論を展開する。
  • OUTSIDERS report

Twitter@東京アウトローズ


  • マルクス主義を標榜する編集長・奥村順一が独断で展開する「東京アウトローズ」裏バージョン。反米・日米安保粉砕。安倍極右政権打倒、沖縄辺野古新基地建設阻止、在日米軍は即時撤退せよ。多国籍企業を利する「日米FTA」交渉に断固反対。非正規労働者の党と反資本主義潮流を。体制の補完物である大手メディア批判、そして全世界で闘う人民大衆の動きにも眼を向けていきたい、と思います。私たちは独自の視点から大企業・独占資本の不正をあばく「戦闘的ゲリラ・マガジン」を目指します。
  • Twitter@東京アウトローズ

訪問者


「原発利権」白川司郎による言論弾圧弾劾!!

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

広告

無料ブログはココログ