トランスデジタル事件の真相(2)、巨額脱税のコリンシアン社元代表・鬼頭和孝被告も逮捕
トランスデジタルをめぐる架空増資事件で、警視庁捜査2課は9日、金融商品取引法違反(偽計取引)などの疑いで、新たに投資会社「コリンシアンパートナーズ」元代表の鬼頭和孝被告(=法人税法違反などで起訴済)を逮捕した。
今回、架空増資の疑いを持たれているのは、トランス社が08年7月11日に公表した第3者割当増資。同29日から31日の3日間に行使された予約権総額17億4400万円のうち、8億8800万円が見せ金の回転などによる架空だった、と見られている。この8億8800万円の架空分は7つの個人・法人に割当てられていた。その具体的な内訳は次のようになる。
【29日】
竹内健一(永本壹桂関係) 2000万株(1億6000万円)
原山博幸(同) 1000万株(8000万円)
前野森幸(同) 2000万株(1億6000万円)
K 1300万株(1億400万円)
T 1300万株(1億400万円)
【30日】
TD戦略投資事業組合 2300万株(1億8400万円)
【31日】
K 1200万株(9600万円)
このうち30日のTD戦略投資事業組合は、トランス社の実質オーナーだった鬼頭被告が支配していた。本誌の取材でも、鬼頭被告らが30日当日、どのような資金操作をしていたのか、その詳細は分っていないが、関係者の話などから、この1億8400万円は三菱UFJ銀行赤坂支店トランス社口座→同沼津支店トランス社口座→峯岸被告個人会社→ユナイテッド・プラネッツ→TD戦略投資事業組合という複雑な資金移動をしていた、と見られる。ちなみに、ユナイテッド・プラネッツは、東邦グローバルアソシエイツ(旧千年の杜)でも大株主として名前が登場し、鬼頭被告の実質的な個人会社だ。
実は、今回の偽計取引(架空増資)容疑は、電磁的公正証書原本不実記録との、言ってみれば1パッケージになっている。左に掲げたのは、トランス社の法人登記簿謄本だが、その「資本金の額」などを見ると、08年7月31日までしか変更登記されていないことが分かる。つまり8月1日以降の増資分について、トランス社は資本金に組み込む登記さえしていなかった。そのため、登記されていた7月29日から31日の架空分について、電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑とあわせて立件したという事情がある。
では、トランス社が全体で約31億円を増資したとする中に、他に架空増資はなかったのか。その疑いが濃厚なのは同年8月下旬に、山口組系2代目古川組企業舎弟・永本壹桂に再度、割当てられた新株予約権1億株(=2億円)などである。(以下次号に続く)
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