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2009年9月 4日 (金)

【コラム】本誌・宝田豊「新マネー砲談」番外編、「デー・ビーとは?」

証券界の業界用語であるデー・ビー(DUE BILL)を補足説明しましょう。以下、私の若い時の体験で御想像ください。時効になった今だから書ける、反社会的人物との取引です。

30年ほど前、全国的に有名な関東の広域暴力団本部の若頭から、現物株の買い注文を受けました。とても御世話になった既存客の御紹介ですから、おいそれと断り切れなかったのです。なによりも、頂戴する巨額の委託手数料が私の頭を掠めました。

1000円前後の優良株A社を4万株、約定代金で概算4000万円なのですから。当然ながら保護預かりは無理で、券面は4日目に引き出しです。暫くすると、A社はめでたく値上がりし、お客さんから電話を頂いて無事に売却できました。そして、4日目の決済日に顧客の事務所に伺ったところ、トンでもない騒動が起きていたのです。

前の晩に麻雀でコテンパンに負け、足りないゼニは現金の代わりに株券を3枚渡しちゃった」と告げられました。まさに目に前が真っ暗になって、「この糞オヤジ、約定順守をぜんぜん理解していないのか、俺の立場はどうなるんだ、金で片付く問題じゃないぞ!

ホントは怖くて怖くて小便チビリそうだったです。左手の指欠損が二箇所、服役の罪名は身の毛のよだつ内容と紹介者に聞いていたからです。直ちに本社の経理部受け渡し課に電話して 「 持って帰るのが遅くなる」 と誤魔化します。相手方の住所・電話を伺い、これからキャッシュを持参するから3000株と現金を交換してほしい、とお願いしました。タクシーに相乗りして先方の土建屋に素っ飛んで行き、事情を説明して株券を返して貰ったのです。

何より怖かった状況は「A社の株価が決済日当日、更に値上がりしていたこと」。値上がり分の差額をゴチャゴチャ言われたら話は余計にモメて、収給がつかなくなります。土建屋事務所と言っても本業は口入れ屋で俗に云う人夫出し(にんぷだし)。靴が沈みそうなカーペットの応接間、たまげるほど巨大な金魚鉢には熱帯魚がユ~ラユラ、お茶を出してくれた受付譲は先日まで赤坂で働いていたかのような“ホステス丸だし”、ソファーに深く座ると下着が見えそうな超ミニ・スカートです。

先方も現金さえ回収できれば、同業者と要らぬ揉め事を犯す気持ちのないジェントルマンだったので、全て丸く収まりました。夕方3時半までに株券を証券取引所へ届けないと、D・Bという「あってはならない事故」のため、委細を記した始末書を書かされてしまいます。深く御礼を入れてタクシーで兜町まで素っ飛んで行き、事なきを得ました。

なぜこんな話が起きたかという最大の理由は、業界慣例の仮名取引でしょう。B勘(裏金)や犯罪色の臭う資金は、チャンとした本人名義で株式投資が出来ません。株式口座を開設した名義人が「この金や株券は俺のものだ」と主張し始めたら、大変な事件に発展してしまいます。あるいは別件で脱税が発覚して証券会社に手が回ったら一網打尽でしょう。
ですから仮名で買い付けた株券は、必ず4日目に本当の資金提供者(金主)までお届けしていたのです。後に御客さんは総長に就任され、アサ芸や実話時代のセンター・ホールドを飾りました。

我が国の証券市場は世界に例を見ない 「 裏金大歓迎 」 の博奕場だった、と確信させられます(笑)

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コメント

< お詫び >
初めに、前回の新マネー砲談で株券受け渡しの決済不能に関し、デー・ビー DueBill という語句を使用した不手際を、お詫び申し上げます。
日本証券業協会、東京証券取引所、金融庁、日本証券クリアリング機構の各広報担当者にそれぞれ「受け渡し遅延の原因と実態を伺いたい」、と電話した結果、浦島太郎の不明を自覚した次第です。
現在はフェイル ( FAIL ) という言葉が使用されていると聞きました。
いつ頃から使う様になったのか尋ねたのですが不明ということです。

野村の証券用語辞典

フェイル[ Fail ]

受渡しが履行されないこと

株券不発行制度を前提に証券界は取引所を出資者として受け渡し決済の専門会社、日本証券クリアリング機構(JSCC)を設立し、電子決済で株式受け渡しを行うようになったといいます。
そして受け渡し不能状況の発生について以下のような説明があります。

JSCCのDVP決済において、渡方参加者がやむを得ない事由によってDVP決済の決済時限までに有価証券の引渡しを行わなかった場合は、当該有価証券の引渡し及びそれに伴う金銭の授受を翌日に繰り延べて行うこととされています(業務方法書第62条)。

そして過去6年の間に以下のような決済不能が起きたとあります。

フェイルの削減要請を行った参加者数は以下のとおりです (日本証券クリアリング機構)

平成15年1月~12月・・・延べ18社
平成16年1月~12月・・・延べ30社
平成17年1月~12月・・・延べ18社
平成18年1月~12月・・・延べ16社
平成19年1月~12月・・・延べ12社
平成20年1月~12月・・・延べ12社

http://www.jscc.co.jp/genbutsu/fail.html

つまり電通株の誤発注事件やジェイコム事件は、こうした処理で済まされてきたのでしょう。
しかしながら新規公開時の幹事証券が売り方だった場合の決済不能と、顧客の委託注文を受けた証券会社が売り注文を入力するケースでは、明らかに条件が異なります。
日本航空株の売り注文を野放図に入力した証券会社は 「 株式の在庫確認もしないまま、言われるまま」 にジャンジャンと売りまくったのでしょうか?

前回の新マネー砲談で文末に以下の文章を入れておいて、滑り込みセーフだったようです。

お断り

今回の記事は、あくまで株式の本券が受け渡しされる旧来の証券決済を前提に書きました。
物理的なトラブルが発生して券面の授受が間に合わなかったと仮定して。
もし、株券不発行時代の現行様式でD・B取引が行われたとしたら、まさに詐欺そのものです。
この場合は、関係者全員が拘置所送りでしょう。

こうした株券電子化時代の受け渡し不能問題に関して各機関に質問してみました。
「個人投資家の質問は一切、受け付けておりません」(日本証券クリアリング機構)
「証券会社のフェイルの実態を話す事は個人情報の漏洩に準ずるもので、厳禁されております」(日本証券クリアリング機構)

まさに「取りつく島がない」のが実態です。
電話連絡して後日に訪問し、質問したい旨を告げても「個人投資家の御来訪はお断りしております」(日本証券クリアリング機構)


日本証券クリアリング機構(JSCC)とは?

日本証券クリアリング機構(JSCC)は、2002年7月に我が国証券市場における市場横断的な統一
清算機関として、市場開設者(日本証券業協会、東京証券取引所、大阪証券取引所、名古屋証券
取引所、札幌証券取引所及び福岡証券取引所)の共同出資により設立され、2003年1月に証券
取引法に基づく証券取引清算機関として我が国で初めて有価証券債務引受業の免許を取得し、
業務を開始いたしました。

http://www.jscc.co.jp/kaisya/message.html

JALの取引に関して、日本証券業協会・自主規制本部自主規制1部の係員に問い質してきました。
9月2日2時頃、茅場町証券会館の5階で20分ほどの質疑応答です。

投資ファンドが増資払い込みをする銘柄を、事前にツナギ売りすることは法令違反なのか?
答えは「そんなことはありません」
「投資の自己責任原則ですから、ツナギ売りした銘柄が暴騰した場合、儲け損なうケースが起こり得るでしょう」


次いで霞ヶ関の金融庁証券取引等監視委員会に向かいました。

正面受付で新聞記事切り抜きを見せたうえ 「 一個人投資家だが、以下の新聞報道で不明な箇所があるから教えてほしい」 と、頼んだところ待合室に座らされました。
15時~15時40分まで、待たされる事およそ40分で諦めました。
しょせん市井の一投資家は相手にされないのかと。


朝日新聞 2009.8.27

証券市場関係者によると、香港ファンドは増資発表後、株を保有せずに売る契約を結ぶ「空売り」
を日本の証券会社を通じて大量に発注。空売りで株価下落を加速させる一方、株を受け渡す
期日には渡さず、公募価格が安くなった新株を取得したあとで渡していた。
http://www.asahi.com/national/update/0826/TKY200908260487.html

この記事は無知な読者を意図的にミスリードする危うさが、仕組まれております。
空売りを品渡しの方法で清算する場合、受け渡し期日を恣意的に指定する事は、あくまで投資家の “ 権利 ” であります。
現物取引のように4日目決済でなく、空売りした株を売り返済で処理せずに、将来の任意の日時に品渡し決済をするかは「 投資家に与えられた権利 」 なのであります。
報道記事のニュアンスは、公募価格決定後に決済した状況のみを捉えて “ 投資ファンドは、居汚いハゲタカ ” と訴えているかのようです。
この記事に関して朝日新聞に電話して 「 受け渡し遅延が起きたのか、単なる品渡し期日の引き延しを問題にしているのか」 を質問しました。
案の定、デー・ビー Due Bill あるいは FAIL という証券決済システムの概念に関して、トンチンカンな無知を窺がわせ、それ以上の話に進みませんでした。

出先から電話で株券受け渡し遅延の件を、日本証券クリアリング機構に尋ねた時の笑い話です。
「現在はデービーと云わないでフェールと呼びます。詳しくは当社のHPをご覧になって下さい」
「もしもし!フェールのスペルはどう書くのですか?」
一瞬、Fare(料金・運賃)のスペルが頭に浮かんだからです。
すると“ 証券取引所の子会社従業員 ” が言うには
「スペルはカタカナでフェールです」
「詳しくは当社のHPをご覧になって下さい」
役人の本性として「出すものは舌もイヤ!」

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