« 【東京アウトローズ一行情報】アクセスジャーナル山岡俊介、裁判所から突っ返された「準備書面」のとんでもない中身 | トップページ | 【東京アウトローズ一行情報】「事業再生ADR」中の日本エスコンに突き刺さる「春日フォレスト建設計画」 »

2009年7月 9日 (木)

【連載コラム】金融経済評論家 松本弘樹「マネーゲームの罠」

334Matsumoto 【第12回】証券市場と企業文化の変遷(5)

ここからは、実際に現場で体験した私、松本の仕事上のスタンスについて述べておきたい。幸いなことに、私のコラムは金融当局関係者やマスコミなどの方々にもたいへん多くご覧いただいていると聞く。であるなら私たちが直面した事実を参考に、ぜひ証券市場を「あるべき姿」に導いていただきたい、と思う。

私は1986年、「日本観業角丸証券」という準大手証券に入社した。当時、同社は大手証券4社に追いつく勢いがあり、新入社員の教育は大変厳しかった。そこでは社会人としての常識だけではなく、金融マンとしてのモラルや証券マンとしての倫理を徹底的に叩き込まれた。まさにその道のプロフェッショナルを創りあげるものであった。

私はそのときの教育が25年たった今も染み付いている。2000年以降ソフトバンクを退社し独立した今も、不思議と気が緩むことなく充実し、自分に驚くほど真面目に厳しく仕事をするようになったのである。

私の理念は、ひとつの案件に対して、それぞれがそれぞれの得意分野で力を合わせ、みんなで協力しあって努力し成果をあげる、互いにそこから得られる利益を享受できるように行動する、というものである。
  
「キムラタン」の時に、私が優先した信念は、引き受けた投資家の利益は当然だったが、それより会社の存続、伝統の継承、既存株主の利益、そして何よりも、そこで働く従業員と家族のことであった。会社が存続している現在、この点だけは達成できた、思う。

先日、証券業界の大御所と直接話す機会があり、私はこう指摘された。
「この業界は数少ないパイをめぐって、いろいろな人間がそれを奪い合っている。だからそこで仕事をしている我々は、自然と相手に対して疑心暗鬼にならざるを得ない。時には相手を、出し抜き裏切ることも自分のポジションを確保するためには、どうしても必要なことなんだ」

私のビジネスの進め方が理想を追求するあまり、すべて利用され失敗ばかりであること。結局、企業再生も理想ばかりで、結果になっていない、という指摘だった。正直、私もその矛盾を認識しないわけではなかった。ただ、その時、語った大御所の表情は心なしかさびしそうであったのを私は見逃していない。

証券業界は、製造業やサービス業と違い、会社という「大きな文化」を売買する仕事である。したがって、そこに思惑や計算というものが存在し、日々裏切りと結託の連続の中でものごとが進行している。それに関わる人々の個人的な欲望や執着が、実は「なるようになるもの」をならなくしている。個人のエゴで会社が存続できなくなり、その結果、みんなが多大な迷惑や損失を被った案件を私は何度も経験している。彼らには、会社や株主の全体的な「将来の利益」を考慮する、という感性はまったくない。常に目先の利益、自分さえ良ければよい、という発想しか持ち合わせていない。

そのような者が会社の中心にいたら、周りのみんなが不幸になるのは時間の問題である。私は大御所の言うスタンスはよく理解できるが、自分にはできないことも良く分かっている。だから日々苦しんでいるのも事実で、私の性格がもたらした結果なのかもしれない。しかし、馬鹿正直な松本が具体的に経験した実例を紹介することで、何かを分かっていただければ、それはそれで幸せなことであると思う。

« 【東京アウトローズ一行情報】アクセスジャーナル山岡俊介、裁判所から突っ返された「準備書面」のとんでもない中身 | トップページ | 【東京アウトローズ一行情報】「事業再生ADR」中の日本エスコンに突き刺さる「春日フォレスト建設計画」 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/130981/45581440

この記事へのトラックバック一覧です: 【連載コラム】金融経済評論家 松本弘樹「マネーゲームの罠」:

« 【東京アウトローズ一行情報】アクセスジャーナル山岡俊介、裁判所から突っ返された「準備書面」のとんでもない中身 | トップページ | 【東京アウトローズ一行情報】「事業再生ADR」中の日本エスコンに突き刺さる「春日フォレスト建設計画」 »

「真相レポート」発刊のお知らせ


  • 「東京アウトローズ」創刊から15年。編集長・奥村順一と「財界展望」(現ZAITEN)編集部の元メンバーがここに結集し、新媒体『真相レポート』を発刊します。われわれの強みは、企業スキャンダル、経済事件などの分野で他の追随を許さない情報ネットワークと、何をも恐れない意志力にある、と自負しています。今後の展開にご期待ください。
  • http://shinsou-report.com/

Twitter@奥村順一


  • 編集長・奥村が裏情報などいろいろとつぶやきますので、よろしければフォローお願いします。
  • @TokyoOutlaws | Twitter

内部告発・情報提供を求む

  • 内部告発・情報提供はFAX 03-5837-4872 もしくはtokyo-outlaws@nifty.comまでお願いします。本誌スタッフが取材し、記事化いたします。

アウトサイダーズ・レポート


  • 「東京アウトローズ」でエナリス粉飾決算事件などを報じた半田修平が独立。「総提灯記事化」するマスメディアに対抗し、〈インサイダー〉とは一線を画した言論を展開する。
  • OUTSIDERS report

Twitter@東京アウトローズ


  • マルクス主義を標榜する編集長・奥村順一が独断で展開する「東京アウトローズ」裏バージョン。反米・日米安保粉砕。安倍極右政権打倒、沖縄辺野古新基地建設阻止、在日米軍は即時撤退せよ。多国籍企業を利する「日米FTA」交渉に断固反対。非正規労働者の党と反資本主義潮流を。体制の補完物である大手メディア批判、そして全世界で闘う人民大衆の動きにも眼を向けていきたい、と思います。私たちは独自の視点から大企業・独占資本の不正をあばく「戦闘的ゲリラ・マガジン」を目指します。
  • Twitter@東京アウトローズ

訪問者


「原発利権」白川司郎による言論弾圧弾劾!!

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

広告

無料ブログはココログ