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2009年4月11日 (土)

【真相レポート】三井住友銀行堂島支店、「84億円不正融資」疑惑が急浮上

ChikenKokuzei国民新党の結党資金を一部出した「有力スポンサー」とも言われる番場秀幸氏。自身が表舞台に出ることを極端に嫌う人物で、一般にはまったく無名だが、永田町では与野党国会議員の〝タニマチ的存在〟として以前から知られた存在だ。番場氏は、都内などで複数のコンサルタント会社を実質的に経営し、不動産仲介や企業のM&Aをてがけてきた。

マスコミが番場氏の存在に注目し始めたのは昨年5月。東京・九段の超高級マンションに住む同氏が東京国税局(=冒頭右写真)に所得税法違反で告発されたことを新聞・テレビは一斉に報じた。この告発を受けて、東京地検特捜部(=同左写真)は昨年10月、M&Aの仲介に絡んで所得税3億3200万円を脱税したとして番場氏を逮捕した。

M&Aがおこなわれたのは04年で、人気ダイエット食品を販売していた会社など2社が対象となった。買収金額は約41億円に達し、仲介した番場氏は9億5000万円の手数料を得ていたという。この手数料を番場氏は個人所得として申告せず、実質的に経営する赤字の情報調査会社に入金。赤字分と一部相殺されたように仮装していたと見られている。

実は、この番場氏は逮捕される前年の07年、大阪に本社をおく旅行会社のM&Aもてがけていた。招待旅行の企画などを中心にグループ全体で100億円規模の売上がある「ホリデー」(大阪市北区)という会社だ。関係者は次のようにいう。
「ホリデーのオーナは、外資系を含む数社に売却を打診。年商や内部留保などから査定して80億円~120億円という値段はついたが、コンプライアンスの問題などで外資系企業は辞退した。そこで動いたのが番場氏だった。番場氏側の買収提示額は100億円。うち80億円は現金で、残りは上場の際に株式を譲渡するという内容だった。オーナー側はこれを基本的に応諾した」

そして、この買収を実行するために番場氏側が用意したのは「ニューホリデー」というペーパーカンパニーだった。同社は過去に何度も商号変更を繰り返し、所在地も転々としていた。こんなペーパー会社にM&A資金として84億円もの巨額融資を実行したのが三井住友銀行堂島支店である。

前出の関係者によると、この融資は07年10月10日午前11時から午後0時30分までの間、同支店内の応接室で実行されたという。その場に出席したのは、銀行側からは法人営業第二部の部長N氏副部長のS氏の2人。融資を受ける「ニューホリデー」側は取締役で公認会計士の堀友嗣氏のみが出席した。ホリデーのオーナーと秘書室長も立ち会ったが、番場氏は堀氏に同行してきたもののオーナーに簡単な挨拶をしたたけで別室に控えていたという。

ここに不正融資につながりかねない重大な問題が潜んでいた。本来出席しなければならない「ニューホリデー」の代表取締役T氏の姿がなかったのだ。堀氏はT氏が出席できない理由を述べ、代表印、印鑑証明書、委任状などを提出。銀行側も堀氏の言葉に納得し、早々に契約書などが取り交わされ、84億円の融資が実行されている。

ところが、T氏は次のような驚くべき証言をしている。
「しばらく音信不通だった堀さんが突然私を訪ねて来て懇願した。不審に思いながらも多少の情もあって、1カ月間だけ名前を貸すことを了承した。しかし、私が融資の当事者にならないことや個人保証は絶対にしないことなどを取り決めた。これは旧知の弁護士に立ち会ってもらい、法的に問題がおきた場合、すべての責任を取る、と堀さんに念書を書かせています」

これまでT氏はニューホリデーから1度も給与を受け取ったことはなく、出社もしていないという。しかし、同社の法人登記簿謄本を見ると、融資直前の07年9月13日に現社名(旧名S・S・U)に変更登記されるのと同時に、T氏の代表取締役就任も登記。以来、現在にいたるまで登記はそのままになっているのだ。同社の取締役はT氏と堀氏の2人のみで、名義を貸しただけのT氏には融資の実態はまったく知らされていなかった。したがって、融資を受ける際に決定した取締役会議での議事録などの書類は堀氏が勝手につくった疑いまで浮上している。「会社法」348条第2項には、「取締役が二人以上ある場合には、株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、取締役の過半数をもって決定する」との定めがある。

今回の融資実行後、80億円は買収対象であった「ホリデー」オーナーの同支店扱いの個人口座に入金された。しかし、そのうち15億円は優先株代金としてニューホリデーの口座に再度移しかえられている。つまりオーナー側は当初の約束とは違い現金65億円しか受け取っていなかった。これらは行内でおこなわれる伝票の行き来で、手続きそのものはいとも簡単に終了したというが、その場を仕切っていたのはM&Aの実務に明るい公認会計士でもある堀氏だった。

それまで資本金1000万円に過ぎなかったニューホリデーは融資後、資本金7億6000万円の会社に変貌する。しかし、その代表取締役のT氏は本人の同意もなく登記され続けていた。つまり、同社は実質上、代表取締役が〝不存在〟の状態だったのである。

T氏は「信用していた堀さんに騙された」と悔しさをにじませるが、融資などにあたって代表取締役は「対外的な代表権の行使者」として法的に一段重い責任を担っている。銀行側もこうしたニューホリデーの実態を本当に知らなかったのか、「融資手続きの適法性」が改めて問われる問題と言えよう。

Dscn22241Dscn2216こうして三井住友銀行堂島支店から巨額融資を引き出し、まんまとM&Aに成功した番場、堀両氏は半年後に次の仕掛けに打って出る。支配下においた「ホリデー」を使って、昨年5月に都市再生機構UR)が実施した「南青山3丁目」(=左写真)の入札に応募。同社は入札保証金3億4000万円を積み、約85億円で応札したが、書類不備などを理由に落とされている。関係者によると、番場氏サイドは「(国民新党代表の)綿貫民輔の政策秘書を通じて、何故最高額だったのに落ちたのかURにしつこく質した」という。

実は、番場氏は、サーベラス系不動産会社「昭和地所」がURと隣接する形で所有している「南青山3丁目」の物件を買収しようとした時期があった。ちょうど、「有印私文書偽造事件」(本誌3月6日付記事参照)で実際に「契約書」がつくられた05年当時で、逮捕された宮崎勝儀被告ら側に番場氏は一旦2億円を渡していた。その後、2億円は返還されることになるが、この時、番場氏は「南青山をまとめるウマミを知ったはずだ」(前出の関係者)という。

このように番場氏は、三井住友銀行堂島支店から巨額融資を引き出し、「ホリデー」のM&Aまでは成功したが、次の利益を求めた「南青山3丁目」ではあえなく失敗。当局による脱税捜査の手が番場氏にひたひたと迫る中で最終的に挫折していた。しかし、番場氏による一連の動きを可能にさせたのが、堂島支店による巨額融資であったことも間違いない事実だ。

金融庁は今月6日、貸し渋り・貸しはがし防止のため金融機関の融資実態を調べる初の集中検査に着手。三井住友銀行にも本格的な検査が入ると見られるが、今回発覚した不正融資疑惑に金融庁がどのように対応するのか注目される。(以下次号)

【参考記事】
都内有名事件物件「南青山3丁目」、入札前に行われていた〝不可解な土地交換取引〟
http://outlaws.air-nifty.com/news/2008/05/post_f337.html
不発に終わった「南青山3丁目契約書偽造事件」から浮かびあがってきた〝意外な人物〟(1)
http://outlaws.air-nifty.com/news/2009/03/post-cc6c.html

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