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2009年2月27日 (金)

【真相レポート】東証1部「CSKホールディングス」、子会社上場で私的利益を追求していた経営最高責任者の「実像」(2)

【子会社CCO株式の売却時期の特定】

親会社CSK(=当時)の社長だったA氏が、いつ子会社CSKコミュニケーション(CCO)の保有株式を売却したのか。その時期を特定するため、下記のプロセスにて推定をおこなう。
■保有株式の推移から売却時期を絞り込む
■売却制限期間を除外して売却時期を絞り込む
■経済合理的行動を取ると仮定して、売却時期を推定する
■その他公開情報と整合を取る

(1)保有株式の推移による売却時期の推定

254_2 A氏は前述の通りCCOの役員かつ大株主であるので、有価証券報告書・半期報告書により保有株式の推移を追うことができる。公開情報に基づくと左表の通りとなる。

まず、2002年3月末日の保有株数を推定する。有価証券報告書には潜在株式数が記載されていないため、02年3月末日時点での潜在株式数が不明である。だが、上場時960株から1080株に増加しているため、少なくとも120株のストックオプションは行使している。残り120株は売却したか未行使で保有しているかということになるが、半分だけ行使する合理的理由も特にないため、ここではすべて行使し、120株売却したと仮定する。

255_3 ストックオプションの行使は発行済株式総数を増加させるので、念のため発行済株数の推移を確認すると、240株以上の増加となっている。よって、実行可能性については担保されていると考えられる。(ただし、行使者までは特定できない)

258 次に、02年9月末日時点の保有株数を推定する。6月に取締役を退任しているため、有価証券報告書の役員の持ち株数から情報を得ることができなくなっている。しかし、A氏は役員であると同時に大株主であるため、大株主の情報から売却時期を推定できる。

257_2 大株主の推移を見ると、02年9月30日までに上位10位から外れている。この時の10位(野村證券)の保有株数が、分割調整前で92株であるため、最高でも91株を保有するのみとなる。その半年前が1080株であるから、少なくともこの間に989株を売却したことになるが、全株売却したと考える方が自然であろう。よって、そのように仮定する。以上の結果、保有株式の推移は左表のように推定された。

(2)売却制限期間からの売却時期絞り込み

260 株式の売却は、法律や社内ルールにより制限されている場合がある。例えば上場企業の役員は、旧証券取引法164条一項により、上場後6ヶ月の株式売却が実質的に制限されている。また、同社では、役員等内部情報を得ることができる者は、決算確定後、発表の期間まで自社株式の売買が禁止されるという、一般的な内部者取引規制の社内ルールを運用している。よって、この期間も売買可能期間から除外できる。

(3)経済合理的行動からの推定

261 120株の売却時期は02年3月15日から31日の間に絞れたが、1080株の売却時期は02年6月21日から9月30日と、十分に絞り込めていない。公開情報から特定できるのはここまでなので、以降は経済合理性に基づいて推論を行う。この期間で、株価上昇のインパクトを持つ経営上の意思決定が、左表のとおりいくつか行われている。

これらのイベントは、経験上あるいは実証的に確実性の高い株価上昇が期待されるものである。A氏はこの時点でCCO取締役会長を退任してはいるものの、依然として親会社の経営者である。これらの意思決定を主体的に実行可能かは分からないにしても、少なくともこれらの意思決定について、グループ会社からの決裁申請や報告を通して、知りうる立場にはあったと考えるのが自然である。同氏は証券会社出身であり、これらのイベントが株価にもたらす影響を十分理解していると推定すれば、これら一連の株価上昇が予想されるイベントの前に株式を売却することは、経済合理性の観点から考えにくい。よって、1080株は9月11日から30日の間に売却されたと推定できる。

(4)その他公開情報との整合

262 最後に、これまでの推定を他の公開情報と整合してその妥当性を確認する。まず120株の売却時期である。この取引はストックオプション240株の行使が前提であるため、上場後の発行済株式総数の増加累計と整合させる。下表を見ると、確かに売却推定時期に240株を超えている。このことから、行使者までは特定できないものの、実現可能なものであることは分かった。

263 次に1080株の売却時期である。売買高から判断すると、1080株という大口の株式の売買は9月13日から19日の間でなければ行えないだろうことがわかる。しかも9月13日は、吸収合併の発表後初めてCCOの株価が理論価格であるCSK株価の74倍にほぼ達したタイミングである。よって、1080株の売却はこの4日間に行われた可能性が高いと考えられる。

264 以上の分析により、売却時期とその予想金額は下記のように特定された。売却金額は推定期間の株価を売買高で加重平均したものである。売却額は3.7億円、取得原価は3,700万円なので、売却益は3.3億円超となる。

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コメント

素晴らしい分析力ですね。
CSKは本業じゃなく、不動産の金儲けに走りすぎて自滅するでしょう。
この財務内容では金融機関も見放すと思います。

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