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2008年12月14日 (日)

【連載コラム】金融経済評論家 松本弘樹「マネーゲームの罠」

【第5回】弱者のファイナンススキームを悪用した輩(やから)たち 外資証券の功罪(上)

MatsumotoKCSが一連のファイナンスをおこなっていた頃、外資系証券の間でも別の嘆かわしい動きが起きていた。

90年代、野村証券をはじめとする、東急電鉄の相場操縦、損失補てん、総会屋への利益供与問題などの証券不祥事が続発した。そのため大手を中心にほとんどの証券会社で企業の資金調達ができなくなった。彼らは襟を正す意味でも、投資家にとって最も魅力的な転換社債、ワラント債の発行ビジネスを実質ストップしてしまったのである。時を同じくして、不良債権問題による銀行の貸し剥がしも横行した。

その結果、皮肉なことに、企業が直接、証券市場から資金を調達しようとするニーズは増々高まったのである。一連の証券不祥事から数年がたち、西田晴夫氏を中心とする投機筋が登場した。これによって一時的に発行市場のアンバランスは緩和されたが、マーケットの資金需要が解消される見通しはなかった。

ここで、あるエピソードを紹介する。私がキムラタンを手掛けていた02~03年当時、西田氏の番頭を自称するKから「大徳観」のペンネームを持つ中村平吉氏を紹介された。彼らの意図は、私の法人のノウハウと中村氏のネットワークを組み合わせて〝第2のキムラタン〟を発掘させることであった。中村氏は何かで損をしていたらしく、彼らに借りがあったこと、また大阪証券取引所に古くからつめているジャーナリストとして関西財界に強い信頼があることなどを説明された。

何はともあれ私は勉強にもなることだし、見聞も広げられると思い簡単に承諾した。約2年の間に50社ぐらい訪問したであろうか。色々な話を直接経営者から聞けたのは私にとって良い財産になったと思う。しかし、回った全社に言えることだが、彼らはみな業績は悪くなく、資金調達のニーズはまったくなかった。その一方で、自社の株価は安過ぎるという不満を一様に口にしていたのである。

その後、この行脚は思わぬ展開をむかえる。私と中村氏が訪問した企業の主幹事である野村に報告が入ったというのだ。「変な二人組がやって来てファイナンスの提案をしている」と。実は、この出来事がきっかけで、証券会社は小粒な企業にもファイナンスを持ちかけ発行市場ビジネスを再開させた、と後に野村の関係者から聞かされることになる

こうして大手証券は私募のファイナンスを再開する。そして、まもなく彼らが提案したスキームは、奇しくも我々が考案した〝最終スキーム〟であった下方修正条項付転換社債いわゆるMSCBだったのである。

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