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2008年12月 2日 (火)

【連載コラム】金融経済評論家 松本弘樹「マネーゲームの罠」

【第1回】 もう市場に西田はいない

Matu2Matsumoto私の処女作『仕手の現場の仕掛人 真実の告白』(ダイヤモンド社)でも述べたように、株式市場に反社会勢力が堂々と入り込んでいるといわれて久しい。そうなった歴史やいきさつは拙書で述べたとおりであるが、少なくとも西田晴夫氏が一世を風靡した時はここまで市場が腐っている状況ではなかった。

西田氏は当時、時代の申し子で、バブル崩壊後、経済が失速し、銀行が不良債権処理で四苦八苦していた時、彗星のようにボロ会社を救った。経済学者に言わせれば、力のない企業は資本主義社会で淘汰されるのが当り前だが、それでもその会社には社員がおり、その後ろには家族がいることを考えると、無碍につぶすよりも敗者復活のチャンスぐらい与えても良いのではないか、と本気で思っていた。

賢明な投資家であれば、絶対に金を出さないようなボロ会社に西田氏は割り切って投機資金を投下し窮地を救った。彼らにしても会社が立ち直ってくれれば、楽に資金を回収することができるのだから、当時を振り返ってみても、実体のないものに腕力で相場操縦を闇雲に仕掛けていたわけではない。純粋な投資家として西田氏が会社の再生に期待していたことは、近くにいた私が証明できる。

そのような時代に比べて今はどうか。当局がライブドア事件の前後から仕手筋や投機グループといった勢力を片っ端から駆逐した結果、市場に存在していたある種の資金は、当該株式を売り抜けて、資金を回収することが実質上できなくなった。さらに悪いことに、回収手段を失った投資家は、野蛮な勢力とくっついて、その企業の中にまで口を出すようになったのである。彼らにとって、株は有価証券ではなく、会社を経営支配する支配証券であり、その大多数を所有している彼らはもはや投資家というカテゴリーをはるかに逸脱した存在である。

そしてこの事態は、私が拙書『共生者』の中で述べたように、真剣に事業再生やM&Aに取り組んでいる、真面目な投資家やコンサルタントを排除し、彼らの参入をもしにくくしているのだ。これからの情勢を考えてみれば、もう西田氏のようなカリスマ性を持った仕手筋は二度と現れないであろう。しかし、マーケットには西田氏のような人物を待ちわびる期待感が根強くあるのも事実である。

このコーナーで、私はさらに問題点を深く考察し、その処方箋を述べていこうと思う。でも、その前にもう一度強調しておきたい。「もう市場に西田はいない」のだということを。そして、これからのあるべき金融市場を考え、創っていくのは、このコラムを読んでいただいている投資家の皆様たち自身なのだ。

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