【特別寄稿】みずほ信託銀行のアキレス腱「京橋プロジェクト」、魑魅魍魎の百鬼夜行〝漆黒の闇〟を暴き出す(1)
『京橋プロジェクト』とは、銀座と日本橋の中間にある東京都心の一等地で、中央通りに面した約1200坪の不動産である。ミニバブル崩壊の昨今でさえ、時価800億円と言われている。当該不動産は、最近、民事再生法の適用を申請し破綻した「アーバンコーポレイション」(房園博行社長)が地上げしていた。
同社は07年2月7日付の「ニュースリリース」(=冒頭写真)で、連結対象の特別目的会社(SPC)が保有する不動産を譲渡したとして、次のような内容を発表した。
所在地 東京都中央区京橋3丁目2番地1ほか。
土地面積 3672・79㎡
資産概要 上記に所在する土地並びに建物の現物または信託受益権
譲渡価額 733億円
譲渡先 「東京建物(株)」または、今後同社が設立予定の特別目的会社
譲渡日程 07年2月7日、引渡日(予定)07年3月15日
一方、東京建物(=左写真)も同日付の「ニュースリリース」で、アーバンコーポのSPCである「(株)京橋プロジェクト」ほか2社から当該不動産を取得した旨など同一の内容を公表していた。
では、このプロジェクトの現況は、どうなっているのか。「京橋開発特定目的会社」(東京・千代田区)が、当該不動産の信託受益権の受益者になっている。「京橋開発」は07年10月31日現在、総資産が1207億円に達する。そのうち、特定資本金が10万円で、優先資本金が417億円である。発行済み優先出資の総口数は83万4000口。
このように1200億円もの総資産を誇る「京橋開発」の真のオーナーは誰なのか、謎である。東京建物の有価証券報告書には、「京橋開発」が東京建物の子会社であることは記載されていない。特定社債800億円の年間の利子は13億3458万4790円で、逆算すれば年利1・668%になる。これは驚くべき低利であり、短期プライムレートが適用されている。
諸般の状況を総合してみると、「京橋開発」の真の所有者はみずほ信託銀行と推理される。この推理が正鵠を得、みずほ信託銀行が「京橋開発」の実質的オーナーであれば、みずほ信託銀行はSPCをヴィクルにした地上げ屋に過ぎないことになる。信託銀行として公共性に反するのみならず、銀行法にも違反し、独禁法の「優越地位の乱用」に抵触する。みずほ信託銀行の独断専行を放置するならば、金融庁および公正取引委員会の不作為が問われる。(次号に続く)
【文責・「企業犯罪」研究会】
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SPCだから子会社と書いてないだけで、実質支配者は東京建物でしょ?みずほ信託は単なる受託者では?
投稿: | 2008年10月 2日 (木) 01:36
↑そのとおりです。
アウトローズさん、もっと勉強してくださいね。
投稿: | 2008年10月 2日 (木) 09:50
京橋3丁目の件は表に出ている信託契約だけで済むような話ではない。
そのため、他の媒体でもこの問題は取り上げられている。ただ、アウトローズが
真相をめくれるかどうか、それは分からん。
投稿: | 2008年10月 2日 (木) 10:32