【ミニ情報】鹿児島地検、〝街宣傷害〟の因果関係を立証するのは困難と判断
鹿児島県警がまた〝大恥〟をかいてしまったようだ。本誌既報のように、奄美大島の砕石会社を批判する街宣活動を展開していた右翼・民族派メンバーら10人を、鹿児島県警は傷害容疑などで逮捕していた(当初、7月2日に9人が逮捕されていたが、その後、1人が追加)。
ところが、鹿児島地検が拘置期限ぎりぎりの7月20日に下した判断は、「処分保留による全員釈放」だった。地元紙の21日付「南日本新聞」(=写真)によれば、同地検は「街宣と心的傷害の因果関係について、現時点での立証は難しい、と判断した」という見方を伝えている。同地検の次席検事は「(右翼らは)街宣活動自体は認めたが、動機や共謀関係などで十分な証拠が得られなかった。引き続き捜査し、最終的な処分を決める」と話しているという。
すでに本誌では、今回の街宣活動を指導した民族派「心道誠会」の大山英人会長に直接、取材し、「街宣そのものに違法性はなかった」との心証を得ていた。しかも、砕石会社の女性役員が出していた被害届けは、「頭痛や不眠など約3カ月の治療を要する心的傷害」など極めて曖昧な内容であり、はたして街宣との因果関係を公判で立証できるのか、という〝当たり前〟の疑問を提示してきた。本誌記事を読んだ警視庁幹部OBも、「街宣を取り締るには、脅迫、恐喝、威力業務妨害などを適用するのが普通で、たしかに傷害というのは聞いたことがない。警察庁も今回の件は色んな意味で注目しているようだね」との感想を洩らしていたほどだ。
連日6時間以上の警察の取調べに対して完全黙秘した大山会長は釈放後、本誌の電話取材に次のように応えた。「取調べの刑事が東京アウトローズの記事を私に見せて、『何が第2の志布志事件だ。200%起訴は間違いない』と罵声を浴びせられた。しかし、鹿児島県警は1年がかりで行ってきた捜査でも、私たちを起訴できなかった。最初から〝逮捕ありき〟の完全な見込み捜査だったのです。検察の最終的な処分はまだ決まっておらず予断は許しませんが、今回の事件が鹿児島県警による違法な捜査であったことを広く世間に訴えていきたい」
鷲見一雄氏の司法ジャーナルも、「地方警察は痴呆状態という親父ギャグで済むのか」というコラムの中で、今回の事件について取り上げている。鹿児島県警が今後、厳しい検証に晒される事案をまた一つ抱え込んでしまったのは間違いないだろう。
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