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2007年2月19日 (月)

菱和ライフ元社長「西岡無罪判決」の〝中身〟

本誌既報のように、電磁的公正証書原本不実記録などの罪で起訴されていた西岡進・菱和ライフクリエイト元社長に2月13日、東京地裁で「無罪判決」が言い渡された。裁判長は大島隆明氏。このほど本誌は同判決文を入手したが、非常に興味深い内容なので要約して一部を紹介する。

【本件公訴事実および争点】
菱和ライフは04年6月10日、一居信義氏が経営する「フェニックス・トラスト」から真珠宮ビル(渋谷区代々木)を13億円で購入し所有権移転登記を行ったが、実際は10分の6の持分は「㈱真珠宮」が所有していた。そのため、「㈱真珠宮」は抹消登記手続請求などの訴えを起こし、フェニックスもこの請求を認諾した。

これに対し菱和は、10分の6の持分は適法に所有権を取得できないとの認識に至り、真珠宮ビル売買契約を解除することにした。そして、05年2月28日、菱和はフェニックスとの売買契約を解除し、支払済み代金13億円の返還を受けて、東京法務局渋谷出張所において所有権移転登記の抹消手続をしたが、この抹消手続に連続してフェニックスから「赤富士」(山口組系後藤組関連企業)に所有権が移転した旨の虚偽登記などが行われた。いわゆる連件の登記手続で、検察側は、西岡被告が、後藤忠正組長、坂上雅夫・赤富士経理部長、一居氏、そして菱和側の窓口であった小笠原太視・イディアルプロパティ社長らの共犯者らと共謀して本件犯行に及んだと主張。一方、西岡被告側は共謀した事実はないと一貫して争っていた。

【争点に対する判断】
同判決文には、「本件犯行に至るまでの経緯」という一項目があり、真珠宮ビルをめぐる後藤組およびフロント企業の動きなどが実名で詳細に描かれている。これだけでも大変興味深いのだが、さすがに事件物件として名を馳せた真珠宮ビルだけあって〝複雑怪奇〟の一言に尽きる。とても、ここでは紹介しきれそうもないので、後日に期したい。

さて、この裁判で争点になったのは、(1)後藤組長と西岡被告との面識の有無および真珠宮ビル購入の目的、(2)売買契約解除時に西岡被告と他の共犯者との間で不実の登記をするとの共謀の有無、の2点である。

まず(1)に関して、検察側は、西岡被告は後藤組長と以前から付き合いがあり、同被告はフェニックスが無権利であることを承知の上で後藤組のためにビルを購入、その後、第三者にビルを売却し、転売益を後藤組に還元させようとした、などと主張した。しかし、同判決では「前提となる被告人と後藤がかねてからの知り合いであるという事実も証拠上到底認定できない」と検察側の主張を完全に退けている。

次に(2)の共謀の有無であるが、同判決は、後藤組関係者と菱和は、真珠宮ビルをめぐってむしろ対立関係にあり、不実の登記で共謀がなされたと認定するのは無理がある、とした。それを端的に示すものとして、後藤組フロント企業の従業員Sの日記(05年3月4日記載)を挙げている。そこには、後藤組の〝真の狙い〟が生々しく綴られていた。

「第一段階の菱和フェニックス間の解除による所有権の差し戻し、13億の返還。第2段階のフェニックス赤富士間の売買。菱和はフェニックスからの13億の返還振込みでなければならない。それを赤富士で支払証拠(振込伝票)を残し、菱和が窮地に立ち第一段階から再度振り出しに戻す作業を行うことになれば我々の緊急対応策は成功と言える。これは誰が得をするとか利益を受けるとかいうことではなく、当面の13億の金の動きを元に戻して仕切りなおしから始まるということであり、野嵜、一居、裁判5訴状に対する完全撃破とこの祟られたような代々木物件の完全処理を遂行することの勝利宣言を世の闇紳士に知らしめる事である。それに伴うリスクは計り知れないものがあるが・・・。頭脳がショートして張り裂けそうな複雑で危険な大金の飛び交う大仕事。或いは人の命のやり取りも有るやもしれない程である。長期戦が予想される」

後藤組側は、05年2月28日の売買契約解除の直後から、返金された13億円の振込名義人をフェニックスから赤富士に変更させようと画策(横浜商銀にこれを迫ったが結局、失敗)したり、菱和側で転売を承諾したなどという証明書を書かせようとしていた。後藤組側としては、菱和が解除によって真珠宮ビルと無関係になるのを阻止し、赤富士が資金を拠出したことを梃子にして、菱和をも巻き込んで問題物件の解決をしようとした意図が窺える、と同判決はいう。

つまり、この事件の〝真相〟は、後藤組フロント従業員Sの日記に、実は凝縮されていたのである。

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