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2005年8月17日 (水)

「横浜市不正入札疑惑」追及第1弾 また訴えられたシンシア

20050817055252NEC系産廃会社「シンシア」(中西雄三会長)の横浜市進出に対して、地元で強い抵抗が起きていることは既に報じた。同社が80%出資する「横浜金沢シンシア」に市有地売却が決まったが、その入札のやり方は実に不透明なものであった。

入札に参加した地元産廃業者A社(海老名市)は、著しい不正があったとして3月に民事訴訟を起こしていたが、このほど本誌は訴状を入手した。それによると、A社は横浜市だけでなく、横浜金沢シンシアも訴えていることが分かった。A社は、自分たちに「市有地の売買契約を締結する地位」があり、その確認などを求めている。

これまで入札の詳細な経過はよく分からなかったが、今回の訴状入手によって判明した。その印象をあらかじめ述べておくと、まさに官製談合の臭いがプンプンする「疑惑の入札」であった。以下、訴状に沿って経過を記すが、筆者の責任において一部要約した。

①A社は入札直前の今年1月28日、入札保証金として1億円を納付することを社内で決めた。また、入札金額については、他の参加業者がいなければ横浜市から提示されていた参考価格を基準とした26億円で、他の業者がいれば1億円の入札保証金額から入札できる最大限の33億3333万3333円とする方針が決定された。
②入札当日の1月31日、A社は社長ら3人で受付開始時刻の午前9時30分頃、入札会場に到着。担当職員から、一度入室したら出ることはできない旨の説明を受けた。
③入札会場の受付には、前方に女性1人、後方に男性2人の担当職員が座っており、A社社長らが入札参加申込書の写しと保証金振込領収書を女性職員に提出。後ろにいた男性職員らも同書類を点検した。
④その後、男性職員のうち1人が、入札会場である514会議室の廊下を挟んだ別の部屋にいた女性職員を呼び寄せ話をした後、この女性職員は男性職員から渡された紙を持って一旦会議室を退室した。しばらくした後に戻ってきたが、また同女性職員が退室するなど、A社社長らは受付で20分以上も待たされ、受付が終了したのは午前9時55分ごろであった。
⑤受付終了後、A社社長らは入札会場内の衝立の奥の席に案内される。そこからは受付が見えなかったため、他の業者の受付状況はまったく分からなかった。
⑥その数分後、衝立が外され、入口側の席に他の業者1社(横浜金沢シンシア)がいることが分かった。そのため、A社社長らは、あらかじめ決めていた方針通り33億3333万3333円で入札することにした。
⑦A社の受付手続に時間を要したため、予定時刻の午前10時を数分過ぎてから入札が開始され、A社と他の1社が入札箱に入札書を投函した。
⑧入札終了後、横浜市の担当職員らは、入札箱を衝立の裏側に移動させ、A社社長らの見えない所で開札を行った。
⑨午前10時30分過ぎごろ、担当職員は、A社と他の1社であった横浜金沢シンシアの社名と、入札金額33億3333万3333円が読み上げられ、2社とも同額であるとの結果が発表された。
⑩担当職員は入札金額が同額であることから、クジ引きによって落札者を決める、と述べた。しかし、クジの具体的な方法についての説明はないまま、入札台の上で、単に2本の線が記入され一部紙で覆われた紙を示され、担当職員からの指示で、A社が先に上の線の横に社名を書き、その下の線に横浜金沢シンシアが同じく社名を書いた。
⑪その後、直ちに担当職員は、横浜金沢シンシアが落札者に決定された旨を発表した。

以上が、A社側が訴状の中で明らかにした入札経過である。ここから筆者ならずとも様々な疑念が湧いてこざるを得ないであろう。今回、最も驚いたのは、経過⑩~⑪の横浜市側がとった「クジ引き」の方法である。どちらが落札者になるか説明もしないクジ引きなど前代未聞だ。例えば、線が長いほうが当たりです、という風な事前の説明がなければ公正なクジ引きにならないではないか。しかも、関係者の話によると、「一部紙で覆われた部分は最後までA社側に示されなかった」という。

経過④~⑥における市職員の動きも不可解だ。A社社長らが受付で20分以上も待たされていた間、受付の男性職員から紙を渡された女性職員は、一体誰のところに行ったのか。そもそも、紙には何が書かれていたのだろうか。A社が入札会場に現れたことによって、市職員が水面下で慌しく動いていた様子がここから見てとれる。A社社長らが入札会場の席についた後、数分で衝立が外され、入口側に横浜金沢シンシアがいたというから、同社の受付は僅かな時間で済んだことになる。この違いは何なのか。そして経過⑧~⑨の〝空白の15分間〟である。何故、市職員は衝立の裏側で開札する必要があったのか。

実は、横浜市では2年ほど前にも似たような事件が発生している。この時は3社が同額で入札していた。神奈川県警捜査2課は03年7月、入札情報を洩らしていた市幹部らを競争入札妨害の容疑で逮捕している。しかも、事件発覚前に横浜市は、入札の不自然さを指摘されて内部調査を実施したが、それを指揮していたのが逮捕された幹部本人だった、というのだから呆れる。

まさに、今回の市有地入札は、2年前の事件を彷彿させる。本誌としては今後もこの問題を徹底的に追及していく方針である。(取材・文 奥村順一)

【写真】「今度は神奈川県の産廃業者から訴えられたシンシアのR・Cセンター(東京都品川区)」

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